神々がこの世で戯れていた時代---------。
太陽神アポロンの息子であり、竪琴の名手であるオルフェウスという若者がいた。
彼は、美しいエウリュディケと恋に落ち、結婚する。
だが、逢引のために草原で待っているうちに、彼女は毒蛇に噛まれて死んでしまう。
愛おしい妻を亡くしたオルフェウスは、幾日も、幾日も竪琴を弾きながら悲しみに暮れる。
黄泉の国の神、ハデスはその音色に心打たれ、エウリュディケを黄泉の国から連れ帰る事を許す。
------決して、振り返ってはいけない。という交換条件とともに・・・。
だが、妻を連れ帰れる嬉しさに後ろを振り返ってしまうオルフェウス。
・・・その瞬間、愛しい彼女の姿は消えてしまい・・・・。
二度と会うことは、許されなかった。
ただ一人の女性を愛し続けたオルフェウスは、他の誰を愛することもなくその生涯を閉じる。
天に与えられし美貌と、音楽の神ミューズに愛され、思いを寄せる女神も後を絶たなかったが・・・・。
ただ一人だけを、愛し続けたオルフェウスは女神達の憤りを買い、無残にも八つ裂きにされて湖に放り込まれる。
そうして、命失ってやっと黄泉の国で愛しい妻との再会を果たしたのであった。
黄泉の国では「まお」と新しい名前を与えれていたエウリュディケ。
俺は・・・。
「大ちゃんっ!!」
薄暗く、肌寒い黄泉の国でそこだけがあたたかく光り輝いているように見える。
聞きなれない名前で呼ばれるけれど、呼ばれた声は求めて止まなかった懐かしい声。
暗闇の中で、ふあん。と抱きしめられ甘い香りに包まれる。
涙もでないぐらいに乾ききっていた心にひしひしと満ちてくる恵みの雨。
「ま・・・お・・・・。」
熱い想いがあふれ出てきて、その身体を抱きしめながらなぜだか知っているその名前を呼ぶ。
ブロンドに波打つ髪の毛。
つやつやとさくらんぼのように濡れて輝く唇。
この暗闇の中でさえきらきらと輝く瞳も。
滑らかにしっとりと掌に吸い付く素肌も・・・・。
「会いたかった・・・。まお・・・。」
肉体が引き裂かれてもなお、お前しか愛せなかった・・・。
「待っていて、くれたんだ。」
「うん。だって大ちゃんのいない世界なんて、意味がないから・・・。」
地上の楽園でお前を思い続けて涙を流した日々。
でも、その間まおはこの薄暗く肌寒いこの国に留まってくれていた。
俺のことを忘れて、地上に生まれ変わることもできたのに。
「さみしい思いさせて、ごめんな・・・。」
「ううん。大ちゃんこそ辛かったでしょう・・・?」
もう一度、この腕にまおを抱けるとは思っていなかった。
一生、お前との思い出だけを胸にこの黄泉の国で一人生きていこうと思っていた。
自ら命を断つことは許されない神という自分の立場を何度呪い、お前のもとにかけつけたかったか・・・。
太陽神アポロンの息子であり、竪琴の名手であるオルフェウスという若者がいた。
彼は、美しいエウリュディケと恋に落ち、結婚する。
だが、逢引のために草原で待っているうちに、彼女は毒蛇に噛まれて死んでしまう。
愛おしい妻を亡くしたオルフェウスは、幾日も、幾日も竪琴を弾きながら悲しみに暮れる。
黄泉の国の神、ハデスはその音色に心打たれ、エウリュディケを黄泉の国から連れ帰る事を許す。
------決して、振り返ってはいけない。という交換条件とともに・・・。
だが、妻を連れ帰れる嬉しさに後ろを振り返ってしまうオルフェウス。
・・・その瞬間、愛しい彼女の姿は消えてしまい・・・・。
二度と会うことは、許されなかった。
ただ一人の女性を愛し続けたオルフェウスは、他の誰を愛することもなくその生涯を閉じる。
天に与えられし美貌と、音楽の神ミューズに愛され、思いを寄せる女神も後を絶たなかったが・・・・。
ただ一人だけを、愛し続けたオルフェウスは女神達の憤りを買い、無残にも八つ裂きにされて湖に放り込まれる。
そうして、命失ってやっと黄泉の国で愛しい妻との再会を果たしたのであった。
黄泉の国では「まお」と新しい名前を与えれていたエウリュディケ。
俺は・・・。
「大ちゃんっ!!」
薄暗く、肌寒い黄泉の国でそこだけがあたたかく光り輝いているように見える。
聞きなれない名前で呼ばれるけれど、呼ばれた声は求めて止まなかった懐かしい声。
暗闇の中で、ふあん。と抱きしめられ甘い香りに包まれる。
涙もでないぐらいに乾ききっていた心にひしひしと満ちてくる恵みの雨。
「ま・・・お・・・・。」
熱い想いがあふれ出てきて、その身体を抱きしめながらなぜだか知っているその名前を呼ぶ。
ブロンドに波打つ髪の毛。
つやつやとさくらんぼのように濡れて輝く唇。
この暗闇の中でさえきらきらと輝く瞳も。
滑らかにしっとりと掌に吸い付く素肌も・・・・。
「会いたかった・・・。まお・・・。」
肉体が引き裂かれてもなお、お前しか愛せなかった・・・。
「待っていて、くれたんだ。」
「うん。だって大ちゃんのいない世界なんて、意味がないから・・・。」
地上の楽園でお前を思い続けて涙を流した日々。
でも、その間まおはこの薄暗く肌寒いこの国に留まってくれていた。
俺のことを忘れて、地上に生まれ変わることもできたのに。
「さみしい思いさせて、ごめんな・・・。」
「ううん。大ちゃんこそ辛かったでしょう・・・?」
もう一度、この腕にまおを抱けるとは思っていなかった。
一生、お前との思い出だけを胸にこの黄泉の国で一人生きていこうと思っていた。
自ら命を断つことは許されない神という自分の立場を何度呪い、お前のもとにかけつけたかったか・・・。