二人で生活すべく、荷物の整理をする。

あまりにも、自分の家のようにお互いの家を行き来していたため、二人の荷物がどっちの家にあるかわかんなくなっていて。
まずは大ちゃんの家の荷物から片付けている。

「わあ。これ、なつかしね~~。」
「おっ!!一世を風靡したダンシングサンタだなっ!!
これ。まおのお母さんがまおにプレゼントしたんだけどさあ。
わあ!!しゃんたさん~~。って喜んでたのに、踊り出した途端にびっくりして、うわーんっ!!って泣きだしちゃって、俺の後ろに隠れてさあ・・・。」

昔を懐かしむように、ダンシングサンタを見詰める大ちゃん。

「・・そんなこと、あったっけ?」
「あった。あった。」

「そんで、何回やってもまおが怖がって泣いちゃうから結局俺が引き取ったんだよなあ。
おばさん、ちょっと落ち込んでたぞ。」
「そうなんだ・・・・。悪いこと、したなあ。」

今見れば、にこやかに笑っているとっても優しそうなサンタさんなんだけど・・・。

「あっ!!でも、大ちゃんだって、子供の頃にうちのお父さんが、真っ白いひげつけて、メリークリスマスっ!!って大ちゃんの家に遊びにいったら、びっくりしてお母さんの脚にしがみついて泣いてたって言ってたよ~~!!」
「・・・そりゃあ、俺にだってこどもの頃ぐらいあるさ。」

ふふふ。やりかえしちゃった。
いつも、いつも僕の小さい頃の話を得意そうにする大ちゃん。
まおのことは、何でも知ってるんだからな~~。って感じでとっても頼りになる反面、
時々悔しかったりするのだけれど。

ちょっとバツが悪そうにうつむく大ちゃんをみて、かわいい。と思う。

「来年のクリスマスには、久しぶりに出してやるか。ダンシングサンタ。・・・まお、泣くなよ。」
「もうっ。泣かないよお。」

繋がっている歴史が、嬉しい。

「あの時ね~~。」と話をすれば、僕の過去を何でも知っていて、いつも話が弾んで止まらない。

「・・・あっ。じゃあ、お母さんにサンタさんありがと。って言っておかなきゃ。」
「そうだな。きっとおばさん、喜ぶよ。」

大ちゃんに教えてもらわなかったら、大ちゃんの家の押入れでずっと眠ったままだったのかもしれないサンタさん。
お母さんのくれた愛情を、ちゃんと言葉にして返したい。

「やっぱり、まおはいい子だな~~。」

ちゅ。とほっぺにキスをされ。

「なんだよっ。何で急にこども扱い~~!!」
「褒めてるんだよ。やっぱり俺が惚れただけあるなあ。って・・・。」

優しくとろけるような眼差しで、今度は唇にふんわりとキスをされ。

「・・・・もうっ・・・。ほらっ。早く片付けるよっ!!」
「はいはい。そんな照れたところもかわいいよ?まお。」

なんて言ってくれるものだから。
ぼぼぼぼ。と頬が赤く染まるのを自覚する。

なので、照れ隠しに無言で大ちゃんを思いっきり両手で突き飛ばす。


「おっ。力ついたな~~。まお。」

なんて、ちょっとだけよろかながら余裕でにやにや笑いを浮かべている。

------よしっ!!いっぱい食べて、いっぱい勉強して、オトナになってやる~~~!!





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さりえさんが「大ちゃんが、サンタさん怖がってお母さんにしがみついてた。」って教えてくださったのと。

そういえば、うちの姪っ子が、ダンシングサンタ見るたびにおお泣きしてたなあ。ってのを思いだして。

久しぶりの??
幼馴染。な二人でした~~~。

っていうか、いつまでクリスマス引きずってるんだろう・・。私。