「大ちゃん。はい。野菜生活」
「ああ。サンキュ。」

「おれのいない間も、大ちゃんのこと、守ってね。・・・いってらしゃい。」

ちゅ。と背伸びをして、キスをして大ちゃんを見送る。

「ふふ。感謝してるよ。まお」

腰に手を回して、キスを返してくれる大ちゃん。

最近、恒例になった朝のお見送り風景。



本当は、お弁当を詰めてあげたいぐらいなのだ。
願わくば、栄養バランス・彩満点のランチをとってほしい。

・・・そして、離れていても同じもの食べて・・・。
わあ。なんか考えるだけで、うきうきしてきちゃう。

おれが、図書館でお弁当を広げて、同じものを大ちゃんが稽古場で食べる。

・・・なんて、理想だけどさすがに男の一人暮らし、という建前上、そんな気合いのはいったお弁当持参だと、彼女でもできたか??と余計な詮索の嵐にあってしまう。

なので。

がまん。がまん。

野菜生活のジュースに、毎日「大ちゃんの健康を守ってください。」と願いを込めてキスをする。
朝のお見送りと共に、大ちゃんのかばんの中でしっかりとお供してくれる野菜生活。

なんだか、一緒に大ちゃんのかばんの中に入っている気分になるから不思議。



本日は、メサイヤ稽古でおれのほうが家をでるのが早い。

「ま~お。はい。野菜生活。」
「・・・ええ??」

大ちゃんに渡された紙パック。

「おれも、稽古のとき飲むからさ。お前も一緒に・・・な?」

ウインクつきで、渡されたジュースを受け取りながら、大ちゃんの手のあたたかさにほっとする。

「・・・・うん。がんばる。」


離れていても、同じ気持ち。
えへ。大ちゃんもちゃんとわかってくれてるんだよね。


----------------------------------------------

「健康で気を使っていることは、何ですか?」
「野菜ジュースを毎日飲むことぐらいです。そんなものですよ。男の一人暮らしなんて。」

大ちゃんのインタビューを聞いて、一人にまにまが止まらなかったのは、
言うまでもない・・・。




-----------------------------------

なんて、いつかそんな話があったなあ。と。
まお君に野菜ジュース持たされている図、を想像して一人にやにやしていりんりんでした。