ちょこんとソファに座って待っている僕。

大ちゃんが髪の毛を拭き拭き、手にはドライヤーを持って、バスルームから出てくる。

「ああん。きもちい~~~。」

ただいま、大ちゃんにドライヤーを当ててもらっている。
大好きな指先が、僕の髪の毛をすいてくれる感触がとっても大好き。
足をぱたぱた揺らしながら、大ちゃんの足の指先を眺める。

骨ばっていて、それでいてすらりと長い指先。
本当にコイビトになったんだなあ。って実感が沸いてきて、足の甲につんつんとつま先で戯れる。

「・・どした?まお。」
「ふふっ。・・・幸せだなあって・・・・。」

頭を両手で挟まれたまま見上げると、大ちゃんの優しい笑顔とぶつかる。
んん・・・・。
目を閉じれば、ふんわりと温かいキスが唇に落ちてくる。


窓から一筋明るい光が差し込み、二人の足元を照らす。

「あ・・・・・。」
「雨、止んだな。」

それは二人のぐらぐら揺れて見えなくなっていた心が、今は透明に澄み渡っているのを象徴するようで。

隣に並んで座った大ちゃんが、僕を抱きかかえて膝に座らせてくれる。

「・・・まお。覚えてるか?」
「ん・・・。何を?」

こつんと額をくっつける。
大ちゃんの思い、伝わってくるかな??

「お前、自分の家から俺んちまでチョークで線路描いてさあ。大ちゃんと僕はいつでも繋がってるからね。って言ってくれて。・・・なのに、その日の夜に雨降って、朝にはぜーんぶ消えちまって。
わんわんおお泣きして、大変だったんだぞ。」
「・・・そうだっけ・・・。」

うん。なんだか雨に濡れた道路だけは記憶にある・・・。

「線路がなくなっても、いつでもまおの側にいるよ。って泣き止むまで抱きしめて・・・。」
「・・・・そしたら、お空に、虹っ!!!!」

あ。思い出した。
二人で見上げた空のこと。

空にかかる虹の果てがどこにあるのかすっごく、すっごく不思議だった・・・。
水色に澄み渡る空にかかる虹を渡って行ったら、魔法みたいに自分の好きなところに
いけるんじゃないか?って気がして・・・・。

差し込む光に窓のほうを見やれば。

雨上がりの雫がきらめく木々の間から美しく輝く虹が見えて。

「やっぱり、いつでも繋がってるんだな・・・。俺たち。」
「うん・・・。離れるなんて、できないよ。」

ざあざあと降りしきる雨の中で思いを伝え合った。
ゆらゆらと揺れる想いが切なくて、苦しくて・・・。

でも、雨が降った後にはこんなにも澄み渡った青空と、美しい虹。

まるでこれからの二人を祝福してくれているみたいで・・・・。


「大ちゃん、愛してるよ。」
「俺も・・・。まおを。愛してる。」

とっても、とっても大切に、噛み締めるように真っ直ぐに瞳を見詰めながら告白してくれる大ちゃん。


ああ。本当に。

大ちゃんの側に生まれて・・・・。

大ちゃんと共に生きることができて。

よかった・・・。


これからも、ずうっと・・・・。

一緒だよ??