「ちょっと待ってろな。」

今日はまたトクベツに寒い朝だ。
二人で布団に包まって、抱き合っていても、足先からひんやりと冷たい。
ちゅ。と額にキスをくれると、するり、と布団から抜けてエアコンをつけに行ってくれる。

そのまま、キッチンでお湯を沸かす背中。
カーテンを開ける逞しい腕。
肩越しに差込む光が大ちゃんの背中を照らし出す。

ああ。やっぱり、大ちゃんの背中大好きだ。

おれのことを思って、いろいろと考えて先回りしてエスコートしてくれる。

あまりにも自然で、空気のようにさりげなくしてくれるから、ついついいつもの日常になってしまうけれど。

階段を先に上って、手を差し伸べくれる背中。
タクシーから先に降りて、手を差し伸べてくれる背中。
段差で、先に飛び降りた背中が、振り返って両腕を広げてまってくれる胸。


優雅に一連の用事をすませただいちゃんがベッドに帰ってくる。

「ねえ。大ちゃん、ここ座って?」
「・・・・ん?」

ベッドサイドに座ってもらい、背中からぎゅっと抱きつく。

「・・いつも、ありがと。愛してるよ。」
「・・・ああ。愛してくれて、ありがと。」

ぽんぽんと、頭を肩越しに撫でてくれる大ちゃん。

「ふふ。大ちゃんの背中、やっぱり広くて、あったかくて、安心する・・・・。」

しばらく、そのまま頬を埋める。

「ねえ。大ちゃん、わがまま言っていい?」
「・・・・俺にできることなら、なんなりと。」

「今日は、おんぶして連れて行ってほしいなあ。」
「なんだ。そんなことか。」

ふふっ。と笑って、ふわっ。とカラダが浮いたかと思うと、大ちゃんの頼りがいのある背中に
全身を任せていた。


こんな心満たされた朝が過ごせる幸せ。