おそろいで買ってきたカーキ色のざっくりと編まれたふんわりニット。

「部屋着でくつろぐには、最高だろ?」
「わあ。かわいいねえ。コレ。・・・ふっわふわ。」

ふわふわの毛糸に口元をうずめてわふわの感触を楽しんでいる。
そんなまおの顔は、とってもナチュラルにくつろいでいる。

「気に入った?」
「うん。ありがとお。」

風呂上がりにスエットの上から、お揃いで羽織る。

「はい。大ちゃん。」
「サンキュ。」

コーヒーの入ったカップを持ってきてくれるまおの手を包み込むカーキ色のニット。
指先だけをちょこんと出して、なのにえりぐりからチラリと見える鎖骨がなんとも色っぽい。

やっぱり、コレにして正解だったな・・・。

あまりにもしっくりと可愛らしいまおの姿を見て、一人ほくそ笑む。

「なあに?一人でニヤニヤして・・・。」
「・・・ん?スケベなこと考えてた。」

隣にちょこんと座るまおの肩を抱き寄せると、ちゅ。とキスをする。

「・・・もうっ。大ちゃんってば、本当に万年発情期だよね。」

照れてうつむくまお。

お前が隣にいるからだよ。
万年発情期にさせるのは、まおだけなんだから。

なんて心の中で返しながら、さっきから視線を釘付けにしている鎖骨にちゅ。とくちづける。

ぱあっ。と綺麗に散る朱。

「あっ・・・。ばかっ・・・・。なんでキスマークつけるんだよっ!!」
「だって、まお明日フリーじゃん。タートルネックのシャツ着たら、わかんないよ。」

夏場はこれでも結構気をつかったのだ。
仕事のスケジュールはもちろんだけど、うかつにどこにでもつけるとまおから本気のお叱りがあったから。

基本的には、タンクトップとハーフパンツのファションが好きなまおは、「大ちゃんのせいで今日は着れないじゃんかっ!!」って朝から不機嫌になるのだ。

「冷え性なんだから、きちんと喉元まで保護しないとな?」

さっきつけたキスマークを隠すように、ニットをひっぱりあげる。

「大ちゃんは寒いの平気??」
「・・・平気じゃないけど、暑いよりはましかなあ。」

「寒いときはほら。こうやってくっつけばいいし。」

ぎゅうっとまおを膝に載せて抱きしめる。

「もうっ・・・。そうやってすぐに口実を作る・・・。」

なんていいながらも、コテンと頭を肩口にあずけて、抱きしめ返してくれるまお。

カーキ色の毛糸が混ざりあって、どこからがお互いのものなのかわからない。

いっそのこと、このままとろとろに溶けて、ヒトツになってしまえばいいのに。


俺の体の中にまおがいる。
まおのカラダの中に俺がいる。

あたたかくて、安心できて・・・・。

ふんわりしたニットの感触と、まおの香りにつつまれながらそんな願望を抱くのだった。