「大ちゃんっ!!大ちゃんっ!!」

興奮気味に起こされる。

「んん~~??」

もそもそと起き上がると

「わあっ!!寝癖が大変~~~。」

手櫛で、撫で付けれくれるけれど、

「やっぱりダメだ。」

洗面所まで連れて行かれて、ゴ~~っとドライヤーをあててくれるあったかい風に、ボーっと身をゆだねていると、鏡越しにまおと視線があう。

「ちゃんと、前向いててねっ!!」
「はいはい。」

真剣そのものっ!!って感じで俺の髪をセットしてくれているまおの表情がなんだか愛おしくて、おかしくて思わずふふふ。と笑みがもれてしまう。

「何、一人で笑ってるの~~??」
「なんでも、ない~~。幸せを噛み締めてるの。」
「・・・変な大ちゃん。」

ふふふ。とまおも幸せそうに笑う。

「・・・これで、オッケー!!」

片手にドライヤー、片手に櫛をもって、満足そうににっこりと笑うまお。

「なあ。なんで俺、こんなに朝早くから、たたき起こされたわけ?」
「あっ!!忘れてたあ!!」

今度は、窓辺に連れて行かれ。

「ほらっ!!今日は息が白いんだよ~~。」

はあ。はあ。と外に向かって息を吐くまお。

「・・・あ。ほんとだ・・・。」

二人で並んで、はあ、はあと冬の訪れを感じる。

「ほんと、まおってこういうところ、感性豊かだよなあ。」
「・・・そう?」

まおといると、幼き頃に忘れてきたぴゅあな気持ちを思い出す。

「そう。ありがとな。まお。」

まおの両手を包み込み、ひんやりとつめたい手にはあ、と息を吹きかける。

「これから寒くなるけど・・・。こんな日は、俺がまおを暖めてやるよ。」

包み込んだ両手に、ちゅ。とキスを落とす。

大切な人が凍えていたら、こうやって包み込んであげることができますように。

そんな思いを込めて、愛しいまおのカラダを、ぎゅっと抱きしめた。



----------------------