「愛ってさあ。分割されるんじゃなくて、増えてゆくんだね。」
「・・・どうした?急に。」
ベッドに寝転ぶと、天窓から月明かりが差し込む。
腕を伸ばすと、大ちゃんとお揃いで買ったプラチナリングがキラリと輝く。
「・・・ん?」
「あ・・・。うん・・・・。」
ふ、と隣を見やると腕枕で横向きに寝転んだ大ちゃんが、じいいっと僕をみつめていて。
慈愛のまなざしってこんな視線のことをいうんだろうなあ、って思うようなやさしい視線とぶつかる。
「あのね。ここにくるまでは、何かに夢中になったら他のことはいい加減になっちゃうと思ってた。人を愛するのも一緒で、大ちゃんを好きになることで、家族への愛とかが、薄れるのかなあ・・・。って。」
「・・・・ああ。それで?」
次の言葉を促すように、じっとみつめたまま待っていてくれる。
「・・・でも、違ったんだ。むしろ、大ちゃんを好きになったことで、オーナーさんの見守ってくれるような愛情とか。ここで働くことを応援してくれる両親への感謝とか。このホテルを愛しているスタッフさんへの仲間の大切さとか。・・・なんかね。どんどん今まで感じることのできなかった愛が増えてゆくのを感じるんだ。」
じっと黙って聞いていた大ちゃんが、ベッドから起き上がって俺の頭を撫でてくれる。
「そうだな・・・。そんなふうに感じれるまおに、俺は惚れたのかもな。」
「うん・・・?」
「いつでも一生懸命で、真っ直ぐで、周りの人の愛情を素直に受け取ることができる。
普通なら、裏方でみんなが嫌がるような清掃員でも、このホテルの役に関わることができて幸せ、って毎日働いている姿がキラキラしていて・・・。時々、目を奪われるんだ。」
「えっ・・・??」
月明かりに照らされた大ちゃんの横顔。
完璧なまでに整っていて、誰もが憧れるスマートなコンシェルジュ。
僕のほうこそ、お仕事中に不謹慎だなあ。などと思いながら見惚れてしまっているのに。
そんなふうに、感じてくれていたなんて。
そんなふうに、愛してくれていたなんて。
「大ちゃんに出会えて・・・。本当によかった。」
「・・・ああ。俺もだよ。」
夢を追いかけて、ここにやってきて。
自分の望みどおり、とはいかなかったけれど、大ちゃんに出会えて、このホテルの一員にしてもらえて。
こんなに素敵な部屋で、オーナーさんに見守られながら二人でこんな素敵な時間を過ごせる。
人を愛するということ。
今までの自分だけの世界からどんどん愛が広がって、無限の愛を感じることができるようになる。
人から愛されるということ。
自分の存在価値を認めてもらえ、ここにいてもいいんだ、という安心感と信頼を感じることができる。
天窓に切り取られた四角い夜の空。
優しく二人を照らしてくれる月明かり。
シーンと静まった11月のひんやりとした空気。
自然のパワーに包まれて、オーナーさんの愛するこの部屋に、僕達の愛が満ち溢れていて・・・・。
そっと重ねあった唇から、どこまでも、いつまでも、どんどん愛があふれてゆくのを感じた。
「・・・どうした?急に。」
ベッドに寝転ぶと、天窓から月明かりが差し込む。
腕を伸ばすと、大ちゃんとお揃いで買ったプラチナリングがキラリと輝く。
「・・・ん?」
「あ・・・。うん・・・・。」
ふ、と隣を見やると腕枕で横向きに寝転んだ大ちゃんが、じいいっと僕をみつめていて。
慈愛のまなざしってこんな視線のことをいうんだろうなあ、って思うようなやさしい視線とぶつかる。
「あのね。ここにくるまでは、何かに夢中になったら他のことはいい加減になっちゃうと思ってた。人を愛するのも一緒で、大ちゃんを好きになることで、家族への愛とかが、薄れるのかなあ・・・。って。」
「・・・・ああ。それで?」
次の言葉を促すように、じっとみつめたまま待っていてくれる。
「・・・でも、違ったんだ。むしろ、大ちゃんを好きになったことで、オーナーさんの見守ってくれるような愛情とか。ここで働くことを応援してくれる両親への感謝とか。このホテルを愛しているスタッフさんへの仲間の大切さとか。・・・なんかね。どんどん今まで感じることのできなかった愛が増えてゆくのを感じるんだ。」
じっと黙って聞いていた大ちゃんが、ベッドから起き上がって俺の頭を撫でてくれる。
「そうだな・・・。そんなふうに感じれるまおに、俺は惚れたのかもな。」
「うん・・・?」
「いつでも一生懸命で、真っ直ぐで、周りの人の愛情を素直に受け取ることができる。
普通なら、裏方でみんなが嫌がるような清掃員でも、このホテルの役に関わることができて幸せ、って毎日働いている姿がキラキラしていて・・・。時々、目を奪われるんだ。」
「えっ・・・??」
月明かりに照らされた大ちゃんの横顔。
完璧なまでに整っていて、誰もが憧れるスマートなコンシェルジュ。
僕のほうこそ、お仕事中に不謹慎だなあ。などと思いながら見惚れてしまっているのに。
そんなふうに、感じてくれていたなんて。
そんなふうに、愛してくれていたなんて。
「大ちゃんに出会えて・・・。本当によかった。」
「・・・ああ。俺もだよ。」
夢を追いかけて、ここにやってきて。
自分の望みどおり、とはいかなかったけれど、大ちゃんに出会えて、このホテルの一員にしてもらえて。
こんなに素敵な部屋で、オーナーさんに見守られながら二人でこんな素敵な時間を過ごせる。
人を愛するということ。
今までの自分だけの世界からどんどん愛が広がって、無限の愛を感じることができるようになる。
人から愛されるということ。
自分の存在価値を認めてもらえ、ここにいてもいいんだ、という安心感と信頼を感じることができる。
天窓に切り取られた四角い夜の空。
優しく二人を照らしてくれる月明かり。
シーンと静まった11月のひんやりとした空気。
自然のパワーに包まれて、オーナーさんの愛するこの部屋に、僕達の愛が満ち溢れていて・・・・。
そっと重ねあった唇から、どこまでも、いつまでも、どんどん愛があふれてゆくのを感じた。