おれのコイビトは、みんなに平等に優しい。

よく気がついて、なんでも頼まれる前に動いたり、空気を察知して、うまくコトが運ぶように根回ししたり。
タッチケア、という言葉があるけれど、緊張している時に、背中をポンと叩かれると安心する。
それをわかってて、大ちゃんは後輩にタッチしたり、肩に腕を回したり。
でも、そんなダイチャンだから好きになったのに、コイビトになってしまうと、他の子にはしないで。ってわがままを思ってしまう。

もちろん、コイビトとしても完璧で、スマートにさりげなくエスコートしてくれて、くすぐったいぐらいのお姫様気分を味わせてくれる。
そんあ、トクベツな存在であることに、誇りをもっている。

のだけれど・・・・。

相手の気持ちをおたがいに親身に理解できる、と言う点では良きことであり。
仕事の顔を間近でみれたり、リアルに成長を感じれる、ということでは支えになるのだけれど。

知りたくないことまで、知ってしまう。

自分自身もしてもらったように、後輩に対する気配り、とか。
決して、同性愛者ではないのに、おれを選んでくれた、という意味では女性がダイチャンの側にいる、というだけで、心がざわざわしたりだとか。

愛されてる自信はあるよ。
だって、毎日言葉で、態度で、十分すぎるぐらい示してくれる。

でも。

やっぱりお互いの仕事が重なったりして、十分に心身共にコミュニケーションが取れなかったり。
大ちゃんが他の子に優しくしてるのを、見てしまった日は、なんだか落ち着かない。
不安?と呼ぶのかどうかは、わからないけれど、胸をきゅんと締め付けるようなさみしさ、を感じるんだ。

自分の人生をしっかり歩みつつ、手をつないでゆく。と決めたから。
強くならなくちゃいけないんだけど。


「ねえ・・・。大ちゃん。」
「なんだ?まお。」

「どこにも行かないよね。」
「どこにも行ったことないだろ?ずっと、まおの側にいる。」

「他の誰かを見てるときも、おれ、ちゃんと心の中にいるよね?」
「・・いるよ。ちゃんと。・・・・何が言いたい?まお。」

「ううん。何でもない。」
「まおが、家族を愛しながら、俺も愛してくれているように。ファンの人を大切にしながら、俺を愛してくれているように。ちゃんと、まお以外の人と仕事してても、心の奥にはちゃんとまおが存在してる。・・・っていうか、まおがいないと、俺、崩れちまうぐらい、大きな存在だぞ。」

両方の頬をあたたかく大きな手のひらで包む込み、一点の曇りもない瞳でみつめてくれる。

「・・わかってるけどね。時々、寂しくなるよ。」
「馬鹿だなあ。まおは。どんなに住む世界が違っても、いつも心はまおの側にいるよ。」

広くて逞しい胸にぎゅっと抱きしめられ。

「大ちゃん・・・。あのね。今だけ、独り占めしてもいいよね。」
「いくらでも。この二人の時間は、全部まおのものだから。」

忙しくて、すれ違って。
家で愛する人の帰りをただただ待っていたいけれど。

おれは、おれの人生を歩むことが、ダイチャンの望みでもあるから。

「俺もまおのこと、独り占めするからな。」
「うん。・・・うん・・・。うん。ずっとぎゅっとして、離さないで。」

息が止まりそうなぐらい力強く抱きしめられながら、大ちゃんの重みを全身で受け止めた。



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まお君の重大発表まで、あと少しですね。
なんか、いろんなこと考えちゃう。

お父さん、若いとき俳優だった、ってことはまお君も22歳で、大学卒業の年齢だし、まさかの方向転換??とか。
世界が違っても、大ちゃんとは一生あゆんでゆくよね?とか。
結婚、とかは可能性薄いなあ。とは思うけど、最近はものすごく早いか、遅いかのどっちかだし。
とか。

まあ、まお君が自分の意思で行動することならば、どんなことでも応援したいとは思うけど・・・。
せっかく、大マオさんに出あえて、こんなに楽しい毎日を過ごさせていただいてるので、嬉しいお知らせだといいなあ・・・。

なんだか、ドキドキして、スイートになりきれない私でしたあ。