「まお、今家にいる?」
「うん。いるよ。」

「もう、晩メシ用意しちゃった?」
「ううん。まだ。なんか、雨だから買い物に出る気にならなくって。」

「じゃあさ。今から来ない?たまには、二人で外に食いにいくのもいいだろ?」
「うんっ!!久しぶりだね。お外でごはん。」

「何、食べたい?」
「ん~~~。大ちゃんと一緒なら、なんでもいいけど・・・。やっぱ、ラーメン!!こってりの。」

なんて。

帰ろうかなあ。と思ったところに雨で、一人で帰るのが一気に憂鬱になっただけなのだけれど。
まおと一緒に帰れる、と思うとそれだけで、心がうきうきしてくる。

「ラーメ・・・。まあ、大丈夫かな。」
「あ。大ちゃん最近ベジタリアンだったもんねえ。でも、シュタゲも終ったし、またスタミナつけなきゃあ。」

「そうだな。持久力ないと、満足させられないし。」
「ちょっ・・・。なんでそっち方面にいくの・・・。」

こそ。と周りに聞こえないようにささやくと、TELの向こうで赤面してうつむく姿が思い浮かぶ。
ふふ。
かっわいいなあ。いつまでたっても、この反応。

スタジオの入り口で、「お先に~~。」と帰るスタッフさんを見送りながら、ざあざあと降りしきる白くけむる雨の中から、ふ。と現れるまおを想像して、口元がゆるんでしまうのを必死でこらえる。

ざんざか降りの雨をみて、にやけてるなんて、完全に変態さんだからな。
どれだけ雨好きな人なんだろう。って思われてしまう。

や。俺の好きなのは青空だからな。などど、心の中で、誰に話すでもなく独り言を言っていると。


あ。

誰も気がつかないけれど、俺だけには遠目にもはっきりわかるまおの姿。
白いパーカに、透明のビニール傘。

そこだけ、高原にひっそりと可憐な花が咲いたよう。

視線が合うと、ふわあ。と朝露に濡れて、はなびらを広げるように微笑むまお。

「誘ってくれて、ありがとっ。」
「俺こそ、わがままに付き合ってくれて、ありがとうな。」

「ふふふ。大ちゃん、雨のなか一人で帰るの嫌だったんでしょう。」
「・・・あ。バレれた?」

雨の日の朝は、なかなかベッドから抜け出せずにごろごろしてしまう俺を、いつもあの手この手気分を盛り上げてくれて、結局駅まで送ることもしばしばで。

「じゃあ、ラーメン行くかっ!!」
「うんっ!!」

「・・・あ。傘忘れた。朝、降ってなかったからなあ。」
「じゃあ、コンビにで買う?」

「・・・なんて、確信犯だよ。さっき、わざと傘持ってきて、って頼まなかった。」
「・・・・ん?」

「だから、まおと相合傘したかったら。今日は、朝降ってなかったから、あやしまれないよ。」
「えっ・・。いいのかなあ・・。」

なんて、照れながらも嬉しいそうなまお。
まおの手から傘を奪い、ポンっ!!と開くと、ぐいっと肩を抱き寄せる。

「うわっととと。」

強引に引っ張らないと、外では遠慮して一定の距離を置くまお。
抱き寄せられた反動で、俺の胸にポスンともたれた頭の重さが愛おしい。

ざあざあと降りしきる雨。

でも、一歩まおと一緒に踏み出せば、ポンポンと雨を弾く音が楽しくて。
雨の中、ラーメン屋に向かう野郎二人、という何とも色気のないシュチュエーションも、こんな可憐な花のようなまおと、相合傘で向かう道中は、初恋のトキメキを思い出す。

雨が作り出す弾けるリズムが、足取りを軽くする。

大嫌いな雨のはずだけど、ラーメン屋までの道のりはあっという間で。

もっと用もなく歩いていたい名残惜しさを感じて、隣を見やるとまおの視線とぶつかる。

「なあ。もう一軒、次の店にしないか?」
「ふふ。いいよお。おれも同じこと考えてた。」

二人で目を見合わせて、ふふふ。と笑いあって。

もう一軒、もう一軒、と言っているうちに結局家までついてしまった・・・・。



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あ。なんだか今回はバカップル全開ですねっ!!!

今日は天気が悪いので、ちょっと左の調子がイマイチWW
右をかばってるので、右はだいぶよくなったんだけどね。

台風の影響で??雨がざあざあ降って、ちょっと憂鬱なので、ちょっとでも楽しくなればなあ。と思い、こんな話にしてみました。

やっぱり、書く量が減ってるから、文章の運びに戸惑ってしまうWW
ギクシャクしてたら、ごめんねえ。