大ちゃんの舞台初日。
おれはメサイヤのイベントで、仲間達と大笑いをしてきて。
ぎりぎりセーフで、大ちゃんの家に着く。
初日を終えて、どうしても「おかえりなさい。お疲れ様。」と迎えてあげたかったから。
明日も大阪に早朝に出発だしね。
と、理由をつけて、イベントが終ると同時に飛んで帰ってきた。
こんな時、早寝、早起きキャラで通しておいて、便利だったなあ、と思う。
きっとハイテンションで、帰ってくるに違いない大ちゃんには、胃にもたれないような、軽いメニューで。
軽く乾杯、といきたいかなあ。
作る時間もあんまりないこともあり、枝豆とか、冷奴とか。レタスをちぎるだけのサラダに生ハムとチーズを添えて。
あ。でも、意外と味噌汁とか、飲みたいかなあ・・・・?
あとは、タイマーで仕掛けておいた、炊き立ての白いごはんと、焼き魚ぐらいあれば、十分でしょう。
ぱぱぱっ。と用意して、お風呂も沸かして。
「ただいまあ。」
なんて、ナイスタイミング。
お風呂も沸かしたて。
ごはんも炊きたて。
我ながら、完璧なお迎えだよお。
「大ちゃん、おかえりっ!!おつかれさまあ。」
玄関まで飛んで行って、その首に抱きつく。
どんなに疲れていても、とびっきりの優しい笑顔で、ちゅ。ちゅ。ちゅ。と、キスをくれる大ちゃん。
「初日、お疲れ様。」
ぎゅうううっと抱きつけば、またあの違和感のある香り。
「ねえ・・・。大ちゃん、今日も香水の匂いするけど・・。なんで?」
稽古じゃないのだ。
本番中だって、衣装に着替えているはずで。
楽屋だって違うはずなのに・・・。
洗濯機には直行して、上着は放り込むけれど。
なんだか、釈然としない。
しばらく考えるように、視線を泳がす大ちゃん。
「・・・ああ。そういえば、舞台終ってセリフミスった。って泣きつかれたなあ。アドリブで切り抜けたし、全体としては、影響なかったから大丈夫だよ。って言ったんだけど。」
「・・・・・その時、抱きつかれたの?」
「少し・・・。あ。でも、俺からは腕まわしてないからなっ!!共演者だし、邪険にできないから、仕方ないだろお?」
「うん・・・。わかってる。おれだって、テニミュの頃、大ちゃんに慰めてもらって救われたから。今回も、頼りがいのあるお兄ちゃん、って感じなのかな・・・・。」
泣くつもりなんてないのに、ポロリ。と涙がこぼれる。
みんなに気配りできる優しい大ちゃん。
それが自慢でもあり、不安でもあり・・・。
今まで、こんなに女の子が側にたくさんいる現場ってなかったから、おれのいないところで、大ちゃんがどうやって過ごしているのか、不安になる。
「泣くなよ・・・。まお。ごめん・・・。」
「謝るようなこと、してないんでしょ・・・?」
「そうだけど・・・。お前を泣かしていることに変わりはないから・・。」
きゅ。と腕の中に抱きしめられる。
顔中に降らしてくれる優しいキス。
大ちゃんの手が、洋服の中に忍び込んでくる。
「だいちゃ・・。明日も舞台・・・。」
「お前を泣かせてたままになんて、できないだろ・・・。今日は、トクベツ。」
真面目な大ちゃん。
舞台が始まっても、台本読みのチェックは欠かしたことがなくて。
きっと今も、帰ってきたばっかりで頭のなかはオカリンでいっぱいだろうに。
「仕事も大事だけど・・・。お前を不安にさせたまま、なんてもっと耐えられないから。」
「んん・・・。愛してるよ・・・。」
仕事のことを心配するおれの唇をふさぐように、大ちゃんが唇を重ねてくる。
「何度も言うけど。どんな絶世の美女が現れたって、まおの魅力には、かなわないよ・・・。」
愛してるよ。まお。
何度も、何度もささやかれ、カラダ中を優しい指先で触れられ。
頭ではわかっていても、心の片隅にあった不安の塊がすっかり溶けてしまうまで抱き合い。
結局冷めてしまったお風呂を
「ごめんな。まお。せっかく用意してくれてたのに。本当に、ごめん。」
と、平謝りする大ちゃんに。
「謝るなら、一緒に入って?」
と、全身を洗ってもらい、後ろ抱きにだっこしてもらって、沸かしなおしたあたたかい湯船につかり。
「大好きだよ。大ちゃん。」
まわされた腕に、ちゅ。と口づけた。
・・・ん。こうやってこの腕の中にいられるのは、おれだけなんだから。
見上げると、蕩けそうに優しい眼差しで、おれの髪に口元をうずめている大ちゃん。
ああ。幸せ。
-----------次の日。
大阪のメサイヤイベントメンバーの、みんなにからかわれる。
「昨日、なんかいいことあった?全然、表情違うんだけど。」
「そうそう。なんか、愛されオーラハンパないよねえ。」
「お肌、つやつや~~。って感じ。」
あああ。そんなに顔にでてるのかなあ。
確かに、昨日は激しくはなかったけれど、舞台中だというのに、満ち足りた時間を2回も過ごしてしまって。
昨日からは、大ちゃんのオカリンの時間を邪魔しないように、と抱き合うことは諦めていただけに・・・。
幸せすぎて、ほわわわん。としている自覚はあるけれど。
「ええっと。入浴剤変えた、からかなあ?」
なんて、見え透いた嘘をつきながら。
今頃、舞台の上であろう大ちゃんの白衣姿を思い浮かべて、またふふふ。と口元がゆるんでしまうのを感じた。
みんなに優しいダイチャンだけど、こんなに何に優先してでも、気にかけてくれるのはおれだけ、だからね・・・。
おれはメサイヤのイベントで、仲間達と大笑いをしてきて。
ぎりぎりセーフで、大ちゃんの家に着く。
初日を終えて、どうしても「おかえりなさい。お疲れ様。」と迎えてあげたかったから。
明日も大阪に早朝に出発だしね。
と、理由をつけて、イベントが終ると同時に飛んで帰ってきた。
こんな時、早寝、早起きキャラで通しておいて、便利だったなあ、と思う。
きっとハイテンションで、帰ってくるに違いない大ちゃんには、胃にもたれないような、軽いメニューで。
軽く乾杯、といきたいかなあ。
作る時間もあんまりないこともあり、枝豆とか、冷奴とか。レタスをちぎるだけのサラダに生ハムとチーズを添えて。
あ。でも、意外と味噌汁とか、飲みたいかなあ・・・・?
あとは、タイマーで仕掛けておいた、炊き立ての白いごはんと、焼き魚ぐらいあれば、十分でしょう。
ぱぱぱっ。と用意して、お風呂も沸かして。
「ただいまあ。」
なんて、ナイスタイミング。
お風呂も沸かしたて。
ごはんも炊きたて。
我ながら、完璧なお迎えだよお。
「大ちゃん、おかえりっ!!おつかれさまあ。」
玄関まで飛んで行って、その首に抱きつく。
どんなに疲れていても、とびっきりの優しい笑顔で、ちゅ。ちゅ。ちゅ。と、キスをくれる大ちゃん。
「初日、お疲れ様。」
ぎゅうううっと抱きつけば、またあの違和感のある香り。
「ねえ・・・。大ちゃん、今日も香水の匂いするけど・・。なんで?」
稽古じゃないのだ。
本番中だって、衣装に着替えているはずで。
楽屋だって違うはずなのに・・・。
洗濯機には直行して、上着は放り込むけれど。
なんだか、釈然としない。
しばらく考えるように、視線を泳がす大ちゃん。
「・・・ああ。そういえば、舞台終ってセリフミスった。って泣きつかれたなあ。アドリブで切り抜けたし、全体としては、影響なかったから大丈夫だよ。って言ったんだけど。」
「・・・・・その時、抱きつかれたの?」
「少し・・・。あ。でも、俺からは腕まわしてないからなっ!!共演者だし、邪険にできないから、仕方ないだろお?」
「うん・・・。わかってる。おれだって、テニミュの頃、大ちゃんに慰めてもらって救われたから。今回も、頼りがいのあるお兄ちゃん、って感じなのかな・・・・。」
泣くつもりなんてないのに、ポロリ。と涙がこぼれる。
みんなに気配りできる優しい大ちゃん。
それが自慢でもあり、不安でもあり・・・。
今まで、こんなに女の子が側にたくさんいる現場ってなかったから、おれのいないところで、大ちゃんがどうやって過ごしているのか、不安になる。
「泣くなよ・・・。まお。ごめん・・・。」
「謝るようなこと、してないんでしょ・・・?」
「そうだけど・・・。お前を泣かしていることに変わりはないから・・。」
きゅ。と腕の中に抱きしめられる。
顔中に降らしてくれる優しいキス。
大ちゃんの手が、洋服の中に忍び込んでくる。
「だいちゃ・・。明日も舞台・・・。」
「お前を泣かせてたままになんて、できないだろ・・・。今日は、トクベツ。」
真面目な大ちゃん。
舞台が始まっても、台本読みのチェックは欠かしたことがなくて。
きっと今も、帰ってきたばっかりで頭のなかはオカリンでいっぱいだろうに。
「仕事も大事だけど・・・。お前を不安にさせたまま、なんてもっと耐えられないから。」
「んん・・・。愛してるよ・・・。」
仕事のことを心配するおれの唇をふさぐように、大ちゃんが唇を重ねてくる。
「何度も言うけど。どんな絶世の美女が現れたって、まおの魅力には、かなわないよ・・・。」
愛してるよ。まお。
何度も、何度もささやかれ、カラダ中を優しい指先で触れられ。
頭ではわかっていても、心の片隅にあった不安の塊がすっかり溶けてしまうまで抱き合い。
結局冷めてしまったお風呂を
「ごめんな。まお。せっかく用意してくれてたのに。本当に、ごめん。」
と、平謝りする大ちゃんに。
「謝るなら、一緒に入って?」
と、全身を洗ってもらい、後ろ抱きにだっこしてもらって、沸かしなおしたあたたかい湯船につかり。
「大好きだよ。大ちゃん。」
まわされた腕に、ちゅ。と口づけた。
・・・ん。こうやってこの腕の中にいられるのは、おれだけなんだから。
見上げると、蕩けそうに優しい眼差しで、おれの髪に口元をうずめている大ちゃん。
ああ。幸せ。
-----------次の日。
大阪のメサイヤイベントメンバーの、みんなにからかわれる。
「昨日、なんかいいことあった?全然、表情違うんだけど。」
「そうそう。なんか、愛されオーラハンパないよねえ。」
「お肌、つやつや~~。って感じ。」
あああ。そんなに顔にでてるのかなあ。
確かに、昨日は激しくはなかったけれど、舞台中だというのに、満ち足りた時間を2回も過ごしてしまって。
昨日からは、大ちゃんのオカリンの時間を邪魔しないように、と抱き合うことは諦めていただけに・・・。
幸せすぎて、ほわわわん。としている自覚はあるけれど。
「ええっと。入浴剤変えた、からかなあ?」
なんて、見え透いた嘘をつきながら。
今頃、舞台の上であろう大ちゃんの白衣姿を思い浮かべて、またふふふ。と口元がゆるんでしまうのを感じた。
みんなに優しいダイチャンだけど、こんなに何に優先してでも、気にかけてくれるのはおれだけ、だからね・・・。