最近、お互いに忙しくて、ついつい手抜きになりがちなお掃除。

ダイチャンがいるときは、台本読みの邪魔をしたくないから、せいぜいクイックルワイパーで、ささ~っと埃を取る程度で終わってしまう。

今日は、久々に掃除機を出してきて、の本格お掃除。
となると、雑巾がけもしたくなるよねえ。

なんて、用意をしながら、まずはおかたづけ。


ソファの下からでてきた、ダイチャンの脱ぎました。って形そのものの靴下。
大ちゃん、部屋で裸足でいるの好きだもんね・・・。おれもだけど・・・。

愛する人の靴下。ではあるけれど、シャツが無造作に置いてあるのは、なんだか愛しささえ感じるけれど、なんだか靴下は・・・許せない。
大ちゃん。ちょっと、気、抜きすぎ??

床の拭き掃除まで終わらせた後、あえて、そのままに靴下をならべておく。


稽古を終わったのダイチャンが帰ってくる。

「ただいま~~。」
「おかえり~~。」

「・・・・ただいま~~??」

いつも、おかえりっと、飛んでいって抱きしめてあげるのだけれど、今日はしてあげない。
ソファで、寝転んで雑誌をぱらぱら。
不審に思ったダイチャンが、声のトーンを落として、不安そうにこちらをうかがってくる。
ふふふ。
自分で気がつくかな??大ちゃん。

「大ちゃん。なんか、わすれものしてるよね??」
「・・・えっ。なんか忘れてた??」

う~~ん。と、一生懸命思い出そうとする大ちゃん。

「いってきますのハグも、ちゅ~もしただろ??今から帰るよ、コールもしただろお??休憩中に使って。って言ってた愛(アイ)マスクも、持っていったし・・・・。なんか、忘れてたかなあ?俺。」

もうっ。全然意識してないんだね。

「足元、見て?大ちゃん。」
「・・・あ。ごめん・・・・・。」

「お洗濯は、自分で洗濯機に入れようね。最近、ちょっと甘えすぎでしょう~~。」
「はい・・・・。自覚、あります・・・・。」

「大ちゃんが、そうやって無意識に脱いで忘れちゃうぐらい、くつろいでくれてるのは、うれしいけどね。気がつかずに、放っておくと、きたないでしょ?」
「つい、気持ち悪くて脱いじゃうんだよなあ。」

「わかるけど。自分のことは、自分でしようね??」

なんて、大ちゃんのお世話をするのは、本当はうれしくて堪らないのだけれど。
それで、ダイチャンがだらしなくなっちゃうのは、やっぱり・・・ヤダ。

「・・・・・以後、気をつけます。」
「うん。よくできました。」

おれの機嫌を損ねたと思って、しゅんとしてるだいちゃんがかわいくて。
ほんとは、怒ってないけど、時々こうやってツンツンしてしまう。

まだ、ソファの横につったったままの大ちゃんにあわせるために、おれも雑誌をパタンと閉じて立ち上がる。
なでなで。
しゅんとしている大ちゃんの頭をなでてあげると、途端にふにゃあって笑顔になる大ちゃん。
ふふ。
たんじゅんで、かわいい・・・・・。

「大ちゃん。おかえり。愛してるよ・・・・。」
「まお・・・・。」

とろけるような、笑顔になって、キスをしようとする大ちゃん。

「あ。キスの前に、靴下、洗濯機に入れてきてね。」
「まおちゃ~~ん。」

「ほら。一緒に行ってあげるから。」

なんて、そんなに広くない大ちゃんの家。
靴下を、自分で持たせて、大ちゃんの手を引っ張って、洗濯機まで一緒にいく。

「ふふ。いいよ。キスしても。」
「ただいま・・・・。まお。」

きちんとお仕事を終えた大ちゃんの手を、握りしめて、ちょこっと上を向いて大ちゃんのキスを待つ。
ふわ。
やわらかくて、やさしくて、安心する大ちゃんのぬくもり・・・・。


旦那様へ。

靴下は、ちゃんと洗濯機にいれてください。
そして、毎日こうやってやさしいキスをください。