「たっだいまあ~~。お母さん、今日のごはん、なに?」
京介の第一声は、いつも決まってこれ。
育ち盛りの男の子なんだなあ。と思ってうれしくなる。
「今日は、ハンバーグに、スパゲッティ。」
「やったあ!!大好物っ!!」
荷物を片付ける時間も、待てないという勢いで、洗面所にダッシュして、手を洗ってくると、きちんと手を合わせて、「いただきます。」と、私の作った料理をあっと言う間に食べてくれる。
本当に、おいしそうに食べてくれるわね・・・・。あなたは。
一気に食べて、ふううっと息をついた京介が、少しだけ不安そうに視線を泳がす。
「ねえ。お母さん。なんかさあ。最近、時々、胸が痛いときがあるんだけど、なんか病気かなあ?」
「・・・学校の健康診断では、どうもなかったわよね?」
「うん。なんもひっかかってない。」
「胸って・・・。どのへん?」
「この辺。」
ちょうど、胸骨の中心あたりを押さえる京介。
やっぱり、心臓??かしら。だったら、心配だけど・・・・。
「あと、急に息が苦しくなったりとか。」
「あらあら。それは、心配だわね。運動した時とか??」
「ううん。むしろ、ぼーっとしてる時。」
「そう・・・・。明日、病院行ってみよっか・・・・。」
ぼーっとしてるときに、胸が痛くなったり、息が苦しくなる病気って、なにかしら??
たいしたことないと、いいんだけど・・・・。
でも、。京介は顔色もいいし、ごはんもたくさん食べたし、そんなにどこか体調不良があるとは思えない。
・・・まあ、たいしたことないかな・・・??
「ごちそうさまでしたあ。」
そう言って、自分の部屋に帰って行く。
夜中、ふと目がさめてトイレに行こうとすると、京介の部屋から光が漏れている。
あら?こんな時間まで宿題終わらなかったのかしら・・・・・。
高校生になって、環境が変わって、お仕事までしだして。きちんと両立する。という約束を守ってくれる京介は、宿題も忘れたことがなくて。
もしかして・・・・。無理してるんじゃ、ないかしら。
それで、胸が痛くなったり、息が苦しくなったり・・・・。
コンコン。
部屋をノックするけれど、返事がない。
「京介?まだ、起きてるの??」
声を掛けてみるけれど、やっぱり返事がない。
「入るわよ?京介??」
京介は、課題の数学を広げたまま、机に突っ伏してすやすやと寝息をたてていた。
「もう。風邪ひくわよ。机で寝ちゃったら・・・・。ちゃんと、ベッド行きなさい。」
ゆさゆさと肩を揺らすと、ノートの端に「大ちゃん。大好き。」と書かれた文字が目に入る。
大ちゃんって・・・。
この前、虹色の硝子で、共演した子??
目、キラキラさせて、ミュージカルの時から、「やさしくって、尊敬できる先輩」って言ってたっけ。
これぐらいの年頃って、先輩に対する憧れって、強いもんねえ。
部活の先輩とか、誰が好きか~~!!とかって、友達と盛り上がったっけ。
でも・・・・。
胸が痛いのも、息が苦しいのも、もしかして・・・・。恋心??
相手が、渡辺君だから、恋って気がついていないとか・・・。
高校生にもなって、そんなことってあるかしら??
でも、天然なワタシの子供、だもんねえ。
ふふ。京介って、奥手だなあ。って思ってたけど、ちゃんと恋してるんじゃない。
自覚なしってところが、貴方らしいけどね・・・。
次の日。
一応、循環器の病院に行って、精密検査を受けさせる。
異常はありません。と言われて、二人でほっとして。
やっぱり、恋心なんじゃない。
でも、面白いから、自分で気がつくまで、教えてあげない。
京介の第一声は、いつも決まってこれ。
育ち盛りの男の子なんだなあ。と思ってうれしくなる。
「今日は、ハンバーグに、スパゲッティ。」
「やったあ!!大好物っ!!」
荷物を片付ける時間も、待てないという勢いで、洗面所にダッシュして、手を洗ってくると、きちんと手を合わせて、「いただきます。」と、私の作った料理をあっと言う間に食べてくれる。
本当に、おいしそうに食べてくれるわね・・・・。あなたは。
一気に食べて、ふううっと息をついた京介が、少しだけ不安そうに視線を泳がす。
「ねえ。お母さん。なんかさあ。最近、時々、胸が痛いときがあるんだけど、なんか病気かなあ?」
「・・・学校の健康診断では、どうもなかったわよね?」
「うん。なんもひっかかってない。」
「胸って・・・。どのへん?」
「この辺。」
ちょうど、胸骨の中心あたりを押さえる京介。
やっぱり、心臓??かしら。だったら、心配だけど・・・・。
「あと、急に息が苦しくなったりとか。」
「あらあら。それは、心配だわね。運動した時とか??」
「ううん。むしろ、ぼーっとしてる時。」
「そう・・・・。明日、病院行ってみよっか・・・・。」
ぼーっとしてるときに、胸が痛くなったり、息が苦しくなる病気って、なにかしら??
たいしたことないと、いいんだけど・・・・。
でも、。京介は顔色もいいし、ごはんもたくさん食べたし、そんなにどこか体調不良があるとは思えない。
・・・まあ、たいしたことないかな・・・??
「ごちそうさまでしたあ。」
そう言って、自分の部屋に帰って行く。
夜中、ふと目がさめてトイレに行こうとすると、京介の部屋から光が漏れている。
あら?こんな時間まで宿題終わらなかったのかしら・・・・・。
高校生になって、環境が変わって、お仕事までしだして。きちんと両立する。という約束を守ってくれる京介は、宿題も忘れたことがなくて。
もしかして・・・・。無理してるんじゃ、ないかしら。
それで、胸が痛くなったり、息が苦しくなったり・・・・。
コンコン。
部屋をノックするけれど、返事がない。
「京介?まだ、起きてるの??」
声を掛けてみるけれど、やっぱり返事がない。
「入るわよ?京介??」
京介は、課題の数学を広げたまま、机に突っ伏してすやすやと寝息をたてていた。
「もう。風邪ひくわよ。机で寝ちゃったら・・・・。ちゃんと、ベッド行きなさい。」
ゆさゆさと肩を揺らすと、ノートの端に「大ちゃん。大好き。」と書かれた文字が目に入る。
大ちゃんって・・・。
この前、虹色の硝子で、共演した子??
目、キラキラさせて、ミュージカルの時から、「やさしくって、尊敬できる先輩」って言ってたっけ。
これぐらいの年頃って、先輩に対する憧れって、強いもんねえ。
部活の先輩とか、誰が好きか~~!!とかって、友達と盛り上がったっけ。
でも・・・・。
胸が痛いのも、息が苦しいのも、もしかして・・・・。恋心??
相手が、渡辺君だから、恋って気がついていないとか・・・。
高校生にもなって、そんなことってあるかしら??
でも、天然なワタシの子供、だもんねえ。
ふふ。京介って、奥手だなあ。って思ってたけど、ちゃんと恋してるんじゃない。
自覚なしってところが、貴方らしいけどね・・・。
次の日。
一応、循環器の病院に行って、精密検査を受けさせる。
異常はありません。と言われて、二人でほっとして。
やっぱり、恋心なんじゃない。
でも、面白いから、自分で気がつくまで、教えてあげない。