大ちゃんの電話を切って、お母さんのところに行く。

「ねえ?お母さん。冬休みの間、友達のところで宿題してもいい??」
「そりゃあ・・・。相手の子が、迷惑じゃなかったらいいけど。」

「毎日、行っても・・・・・いい・・・??」
いくら両親ともに共働きで、家にはだれもいないと言っても、毎日家を空けるのは少し気がひける。

「それは・・・。相手のご両親とかも、毎日は迷惑なんじゃないかしら?」
「えっとね。一人暮らしだから。」

んん?とちょっと怪訝そうなお母さん。

「友達って・・・だれ?」
「ほら。いつも共演してる、大ちゃん。おれ、数学苦手だから、教えくれるって約束したんだ。」

「渡辺君なら、安心だけど・・・。お仕事の邪魔したら、ダメよ?」
「うん!!大丈夫。きちんと、自分で、勉強するから!!わかんないとこだけ、教えてもらう。」

「じゃあ・・・。あんまり、わがまま言ったらだめよ?京介?」
「もう。わかってるってばあ。」

念を押すように、お母さんに言われて、ちょっと強引だったかなあ。
一方的に、おれが押しかけるみたいになっちゃたかなあ?なんて思うけれど。

片思い、が募りすぎて、もう、24時間ずっと側にいたいぐらいなんだもん。
大ちゃん・・・・。メイワク、じゃ、ないよね??


お母さんに嘘はついていない。
きちんと、毎日大ちゃんの家に行くことは、言えたし、きちんと勉強だってする。
やるべきことを、きちんとやって、いつかは大ちゃんが好きなんだ。って向き合って話せるように。

大ちゃん?
そんなに心配しなくても、ちゃんと、おれはおれで、がんばるから。