「ほら。お二人さん。朝ごはんでも、食べますか。」
タッキーに促されて、ダイニングテーブルに座る。
「タッキー特製、モーニングコーヒー入れてやるから、楽しみにしてろよ?」
その表現・・・・。エロいわ。タッキー・・・。
と、思うけれど、まおはきっらきらの笑顔で、「わあい。楽しみ。」なんて、無邪気に笑っている。
エプロン姿のタッキーが、キッチンに立っているのは、とっても様になっていて、さすが料理人の息子だなあ。と思う。
やっぱり、俺なんかより、よっぽどカッコイイよ。タッキー。
だからこそ。
まおの隣に並ぶにふさわしい、完璧でカッコイイ男になろうと決意を新たにする。
「ああ。でも、イスが二つしかないけど??」
「あははっ。二人の間になんて、入れないだろ?」
「や。だって、ここ、タッキーの家だし・・・。」
「二人は、今日はお客さんだからさ。」
タッキーの給仕で、まおと朝ごはんを食べて、ソファに二人で並んで座って、くつろぐ。
タッキーは、その間にぱぱっと自分の食事を済まし、会話に加わってくる。
本当は、ずっと前からまおの気持ちに気がついていたこと。
まおが、話してくれるまでずっと待っていたこと。
俺が、タッキーに相談して、ほっとしたこと。
まおのことを、どれだけ思っていたか・・・をつらつらと語ってくれて。
もおおお!!恥ずかしいから、ヤメロよな。タッキー。
10時ぐらいまで、3人でわいわいと楽しくしゃべりし、すっかりおじゃましてしまったお礼を言って、家をでた。
「さっむう。」
「うん・・・。さむい・・・。」
気がつけば、まおは薄手のセーターのみ、といった格好で。
「まお・・・。12月に、なんでそんなに薄着なの??」
「あ・・・・。昨日、ふらふらと出てきちゃったから・・・・。」
ああ。抱きしめて暖めてやりたいけど、屋外ではそれも叶わず。
たっぷりしたボリュームのあるマフラーをしてきた自分を褒めてやりながら、まおの肩をふわ。と包んだ。
「大ちゃん・・・。」
「・・・ちょっとは、ましだろ?」
「うん・・・。うれし・・・。ありがと・・・。」
俺のマフラーに顔をうずめて、端を持った手で、口元を隠すまお。
ああああ。マフラーになりたい・・・・。
そのまま、電車に乗って街に出る。
街はクリスマス・ムード一色で、華やかなグリーンやスノーマンや、金色のスター達がきらめいている。
ショーウインドウに飾られた、紺色のダッフルコート。
ああ。これなんか、まおのイメージにぴったり。
「すみません。これ、ください。」
「あ。今すぐ着るんで、値札とってもらえますか??」
まおは、店の入り口で、店内をきょろきょろと、見回している。
「・・・ほら。まお。これ着て??」
「・・・え??」
「俺からの、クリスマス・プレゼント。」
「ええ~~??そんな、悪いよおお。おれ、何にもあげてない・・・・。」
「だって、もう、買っちゃった。・・・それに、俺が、あげたいんだ。まおのために、何かしたい。」
「大ちゃん・・・・。」
うるうると瞳を潤ますまお。
ああ。その瞳に弱いんだよなあ。
「ほら。かわいい。・・・・よく、似合ってるよ?まお。」
ふふ。と照れてうつむくまお。
俺のプレゼントしたコートを着て、俺のマフラーにうもれているまおが、とてつもなく愛しくて。
抱きしめたい衝動に駆られてしまったので、「いくぞ。」と背を向けて、店をでる。
「うんっ・・・。」
と、俺の後ろをちょこまか。と言った感じでついてきてくれるまお。
色々なツリーを見て回って、お互いに写メを撮りあったあり、カフェでまったりしたり。
高校生のデートって、こんな感じかなあ??というような、本当に、ういういしいデートを楽しんで。
あっと言う間に辺りは暗くなってきて、イルミネーションが灯りだす。
「きれい・・・。昨日見たイルミネーションとは全然ちがう・・・・。」
「そっか・・・。ごめんな??昨日は、泣かせちゃって。」
「ううん。大ちゃんのせいじゃないもん。おれが、勝手に追い詰められてただけ。」
「・・・・よかった。悲しいクリスマスにならなくて。」
「うん。ほんと、タッキーさんのおかげだよね?」
「・・・・ああ。」
こつん。と肩に頭をもたれてくるまお。
ドキン。と心臓が跳ね上がり、触れられた肩口に全身神経が集中する。
うわああ。無意識にやってるんだろうけど・・・。俺の心臓がやばい・・・。
「ほんと、きれい・・・・。」
うっとりと、イルミネーションをみつめているまおの横顔。
イルミネーションに照らされて、キラキラと光って美しい。
「まお・・・・。今夜、俺の家、泊まりにこないか?」
無意識のうちに、そう、つぶやいてしまったセリフ。
少し、驚いたようにこちらを向くまお。
ゆっくりと視線を落として、申し訳なさそうにつぶやく。
「行きたいけど・・・。さすがに二日続けのお泊りは、やばいかなあ。」
「そっか・・・。まお、高校生だもんなあ。」
「ごめんね・・・。大ちゃん・・・。おれが、もっとオトナだったらいいのに・・・・。」
「何、言ってるんだよ。・・・俺たちのペースでゆっくりとすすんでいけばいいから。」
「ん・・・。ありがと・・・。」
寂しげに、にっこりと笑うまお。
そんな表情をしないでくれ・・・。
家族も、仕事も、全部お前から奪ってしまってでも、帰したくなくなるから・・・・。
「そろそろ帰ろっか・・・・。お泊り、した次の日まで、遅かったらご両親が心配するぞ。」
「・・・うん・・・。昨日は、友達が、急にでかけちゃって、お留守番なの。って言っておいたけど。今日は、なんにも、言ってないや。」
二人で電車にのって、まおの家に向かう。
窓から見える、幸せそうな街のあかりが、なんだか切ない。
家族団らんのあたたかさ。そこに入れない、俺。
まおの家族と一緒に、クリスマスを過ごせる日は、やってくるんだろうか・・・・?
駅から降りて、まおの家に向かう途中。
指先に感じるかすかなぬくもり。
「だいちゃん・・・・。手、つないでも、いい・・・??」
「・・・いいよ・・・。」
恥ずかしそうに、ちょこっと、指先だけを絡めてくるまお。
「ねえ・・・・。冬休みの間、お泊りで大ちゃんの家に行ってもいい・・・・かな??」
うつむいたまま、耳まで真っ赤にして、そう聞いてくれるまお。
ああ。もう幸せすぎて、なんて答えたらいいんだろう・・・・。
「来てくれるんだ・・・?」
「うん・・・・。行きたい・・・・。」
「じゃあ・・・。また、俺のスケジュールメールで送るから。都合、よさそうな時、またTELして??」
「今日は、ほんとに、ありがと。・・・・ココロも、カラダも、あったかかったよ?」
首に巻いていた俺のマフラーを返してくれる。
「じゃあ。また・・・・。」
「ああ。また・・・。」
絡めた指先に、ぎゅっと力を込めて。
名残惜しさをこめて・・・。そっと・・・・離した。
パタンと閉じられたトビラと、窓から漏れるあたたかい光。
思いを通じ合わせて、幸せいっぱいのはずなのに・・・・。同時に感じるどうしようもない切なさ。
新しい恋は、始まったばっかりなんだ・・・・・。
タッキーに促されて、ダイニングテーブルに座る。
「タッキー特製、モーニングコーヒー入れてやるから、楽しみにしてろよ?」
その表現・・・・。エロいわ。タッキー・・・。
と、思うけれど、まおはきっらきらの笑顔で、「わあい。楽しみ。」なんて、無邪気に笑っている。
エプロン姿のタッキーが、キッチンに立っているのは、とっても様になっていて、さすが料理人の息子だなあ。と思う。
やっぱり、俺なんかより、よっぽどカッコイイよ。タッキー。
だからこそ。
まおの隣に並ぶにふさわしい、完璧でカッコイイ男になろうと決意を新たにする。
「ああ。でも、イスが二つしかないけど??」
「あははっ。二人の間になんて、入れないだろ?」
「や。だって、ここ、タッキーの家だし・・・。」
「二人は、今日はお客さんだからさ。」
タッキーの給仕で、まおと朝ごはんを食べて、ソファに二人で並んで座って、くつろぐ。
タッキーは、その間にぱぱっと自分の食事を済まし、会話に加わってくる。
本当は、ずっと前からまおの気持ちに気がついていたこと。
まおが、話してくれるまでずっと待っていたこと。
俺が、タッキーに相談して、ほっとしたこと。
まおのことを、どれだけ思っていたか・・・をつらつらと語ってくれて。
もおおお!!恥ずかしいから、ヤメロよな。タッキー。
10時ぐらいまで、3人でわいわいと楽しくしゃべりし、すっかりおじゃましてしまったお礼を言って、家をでた。
「さっむう。」
「うん・・・。さむい・・・。」
気がつけば、まおは薄手のセーターのみ、といった格好で。
「まお・・・。12月に、なんでそんなに薄着なの??」
「あ・・・・。昨日、ふらふらと出てきちゃったから・・・・。」
ああ。抱きしめて暖めてやりたいけど、屋外ではそれも叶わず。
たっぷりしたボリュームのあるマフラーをしてきた自分を褒めてやりながら、まおの肩をふわ。と包んだ。
「大ちゃん・・・。」
「・・・ちょっとは、ましだろ?」
「うん・・・。うれし・・・。ありがと・・・。」
俺のマフラーに顔をうずめて、端を持った手で、口元を隠すまお。
ああああ。マフラーになりたい・・・・。
そのまま、電車に乗って街に出る。
街はクリスマス・ムード一色で、華やかなグリーンやスノーマンや、金色のスター達がきらめいている。
ショーウインドウに飾られた、紺色のダッフルコート。
ああ。これなんか、まおのイメージにぴったり。
「すみません。これ、ください。」
「あ。今すぐ着るんで、値札とってもらえますか??」
まおは、店の入り口で、店内をきょろきょろと、見回している。
「・・・ほら。まお。これ着て??」
「・・・え??」
「俺からの、クリスマス・プレゼント。」
「ええ~~??そんな、悪いよおお。おれ、何にもあげてない・・・・。」
「だって、もう、買っちゃった。・・・それに、俺が、あげたいんだ。まおのために、何かしたい。」
「大ちゃん・・・・。」
うるうると瞳を潤ますまお。
ああ。その瞳に弱いんだよなあ。
「ほら。かわいい。・・・・よく、似合ってるよ?まお。」
ふふ。と照れてうつむくまお。
俺のプレゼントしたコートを着て、俺のマフラーにうもれているまおが、とてつもなく愛しくて。
抱きしめたい衝動に駆られてしまったので、「いくぞ。」と背を向けて、店をでる。
「うんっ・・・。」
と、俺の後ろをちょこまか。と言った感じでついてきてくれるまお。
色々なツリーを見て回って、お互いに写メを撮りあったあり、カフェでまったりしたり。
高校生のデートって、こんな感じかなあ??というような、本当に、ういういしいデートを楽しんで。
あっと言う間に辺りは暗くなってきて、イルミネーションが灯りだす。
「きれい・・・。昨日見たイルミネーションとは全然ちがう・・・・。」
「そっか・・・。ごめんな??昨日は、泣かせちゃって。」
「ううん。大ちゃんのせいじゃないもん。おれが、勝手に追い詰められてただけ。」
「・・・・よかった。悲しいクリスマスにならなくて。」
「うん。ほんと、タッキーさんのおかげだよね?」
「・・・・ああ。」
こつん。と肩に頭をもたれてくるまお。
ドキン。と心臓が跳ね上がり、触れられた肩口に全身神経が集中する。
うわああ。無意識にやってるんだろうけど・・・。俺の心臓がやばい・・・。
「ほんと、きれい・・・・。」
うっとりと、イルミネーションをみつめているまおの横顔。
イルミネーションに照らされて、キラキラと光って美しい。
「まお・・・・。今夜、俺の家、泊まりにこないか?」
無意識のうちに、そう、つぶやいてしまったセリフ。
少し、驚いたようにこちらを向くまお。
ゆっくりと視線を落として、申し訳なさそうにつぶやく。
「行きたいけど・・・。さすがに二日続けのお泊りは、やばいかなあ。」
「そっか・・・。まお、高校生だもんなあ。」
「ごめんね・・・。大ちゃん・・・。おれが、もっとオトナだったらいいのに・・・・。」
「何、言ってるんだよ。・・・俺たちのペースでゆっくりとすすんでいけばいいから。」
「ん・・・。ありがと・・・。」
寂しげに、にっこりと笑うまお。
そんな表情をしないでくれ・・・。
家族も、仕事も、全部お前から奪ってしまってでも、帰したくなくなるから・・・・。
「そろそろ帰ろっか・・・・。お泊り、した次の日まで、遅かったらご両親が心配するぞ。」
「・・・うん・・・。昨日は、友達が、急にでかけちゃって、お留守番なの。って言っておいたけど。今日は、なんにも、言ってないや。」
二人で電車にのって、まおの家に向かう。
窓から見える、幸せそうな街のあかりが、なんだか切ない。
家族団らんのあたたかさ。そこに入れない、俺。
まおの家族と一緒に、クリスマスを過ごせる日は、やってくるんだろうか・・・・?
駅から降りて、まおの家に向かう途中。
指先に感じるかすかなぬくもり。
「だいちゃん・・・・。手、つないでも、いい・・・??」
「・・・いいよ・・・。」
恥ずかしそうに、ちょこっと、指先だけを絡めてくるまお。
「ねえ・・・・。冬休みの間、お泊りで大ちゃんの家に行ってもいい・・・・かな??」
うつむいたまま、耳まで真っ赤にして、そう聞いてくれるまお。
ああ。もう幸せすぎて、なんて答えたらいいんだろう・・・・。
「来てくれるんだ・・・?」
「うん・・・・。行きたい・・・・。」
「じゃあ・・・。また、俺のスケジュールメールで送るから。都合、よさそうな時、またTELして??」
「今日は、ほんとに、ありがと。・・・・ココロも、カラダも、あったかかったよ?」
首に巻いていた俺のマフラーを返してくれる。
「じゃあ。また・・・・。」
「ああ。また・・・。」
絡めた指先に、ぎゅっと力を込めて。
名残惜しさをこめて・・・。そっと・・・・離した。
パタンと閉じられたトビラと、窓から漏れるあたたかい光。
思いを通じ合わせて、幸せいっぱいのはずなのに・・・・。同時に感じるどうしようもない切なさ。
新しい恋は、始まったばっかりなんだ・・・・・。