「んん~~~。首、痛い・・・・・・。」
そっそりと起き上がる大ちゃん。
ぼーっとした表情のままで、あたりを見回している。
「おはよ。大ちゃん。」
「あれ・・・。なんでタッキー・・・・・。」
「もう。昨日大変だったんだからなあ。大ちゃん、店で半分寝ちゃうし。悪いと思ったど、ソファに寝かすのが、やっとだったんだからな。」
「・・・・わりい。・・・ここ、タッキーの部屋??」
「そう。俺の部屋。」
「そっか。迷惑かけて、ごめん。」
「・・・・迷惑だなんて、思ってないけど、気分はすっきりした??」
「・・・・・・んん。カラダはだるいけど・・・。なんか、重い石が、溶けた気分。」
「顔、洗ってよいよ。・・・・あ。歯ブラシ、洗面所の下に入ってるから、出していいよ。」
「サンキュ。・・・・恩にきる。」
タオルを、大ちゃんに放り投げて。
二日酔い、とまではいかないけれど、ちょっぴりだるい胃のために作っていた味噌汁をかきまぜる。
・・・・うん。だしのいいにおい。落着くなあ。
米から炊いた、おかゆがタイミングよく出来上がりのピーピーと鳴らしてくれて。
テーブルに、おかゆと、味噌汁と、納豆と漬物。を並べたところで大ちゃんが首にタオルをかけて戻ってくる。
「うっわあ。タッキーまめだなあ。」
「まめかなあ??作ったの、味噌汁だけだけど。」
向かい合わせに座って、いただきます。をする。
「いいよなあ・・・。ダシの匂いで朝目が覚めるって・・・・。」
「だれかさんにも、してあげたい??それとも、してもらいたい??」
べろべろに酔っ払ってる、というよりかは、眠気でヘロヘロって感じだったから、覚えてるよな??
大ちゃん。
俺からのフリに、味噌汁のおわんの底を箸でトントンとつつきながら、考えている。
「・・・・あ・・・。昨日は、ほんと、つきあわせちゃって・・・・ありがとう。」
「どういたしまして。・・・・大ちゃん、昨日泣きながら「まお。あいしてる」って寝言で言ってたけど??」
「・・・・・・ぶっ。マジッスカ??」
思わず、飲みかけた味噌汁を噴出す大ちゃん。
「もう。きったねーなあ。マジマジ。もう、しっかり自覚してんだろ??まおがスキってさあ。
そんな泣くほど好きなのに、役引きずってんのかあ??とか、男相手に変かなあ??とか、思わなくてもいいんじゃないの??自分の気持ち、素直に認めてやれよ。」
自分から、相談しといて、「なんで知ってるの・・・??」みたいな表情でまあるく目を見開いて、俺を見る大ちゃん。
・・・いやいや。友情を甘く見るなよお。
「でもなあ・・・。俺が、まおが好きって確信したところで、まおがどう思ってるかだもんなあ。」
「まおは、間違いなくダイチャンのこと、好きでしょう??」
「スキ、スキ言ってくれるけど・・・・。それって、ひな鳥初めて見たものを親鳥と思うような、スキ、じゃねえ??ほら。俺、まおのこの世界のデビューが同じ舞台で、初主演が同じ映画で。」
「・・・・・そりゃあ。まおの本心はまおにしかわからないけど。トクベツ扱いなのは、確かだよな??」
俺だって、まおのことこんなにスキスキ言っているのに。
まおの視線はいつも大ちゃんを追いかけてるってこと、気がつけよ。バカ。
「まだ、高校生だしなあ・・・・。恋に恋する年齢、だもんなあ。」
「でも、。本物に出逢うことも、ある。」
「いやあ。でも、まおにだって彼女ぐらいいるだろうしなあ・・・・。」
「そんなの、本人に聞かなきゃ、わかんないだろ??」
だから、そっちが恋に恋してつきあったことのある彼女、だと思うけど??
ここまできて、何をそんなに逃げることがあるんだよ??大ちゃん・・・・・・。
「仮に、まおが俺のこと好きだとしても。男同士で、幸せになんてなれっこないだろ・・・。結婚できるわけでもなし、ゲイだって、まおがバッシング受けるかもしれないし。ただでさえ、今回の映画がこんなテーマだったから、どうかなあ??って心配してたのに・・・。」
「まあ、いろんな見方があるからさあ。世の中の人、全員に受け入れられなくて、当たり前なんじゃない??それは、男女の恋愛でも一緒だと思うけど??」
ああ。あの憔悴っぷりは、そんな先の話まで考えて・・・・。
好きだけど、好きになったらまおを傷つけるんじゃないかって、臆病になってたんだな・・・。
だから、自分に言い訳して、役を引きずってるんだって、納得させようとして。
でも、ごまかしきれなかった思い。
「それもそうだよなあ。でも、俺、まおにそんなツライ思いさせたくないよ・・・・。」
ツライのは、どっち??
思いを通じあわすことが出来ずに、一生生きていくのか。
イバラの道かもしれない、と覚悟してしっかりと手をつないで歩んでゆくのか。
そこまでは、俺が決めることじゃない。
大ちゃん。まお。
-------------共犯者になる覚悟、きめれるか??
そっそりと起き上がる大ちゃん。
ぼーっとした表情のままで、あたりを見回している。
「おはよ。大ちゃん。」
「あれ・・・。なんでタッキー・・・・・。」
「もう。昨日大変だったんだからなあ。大ちゃん、店で半分寝ちゃうし。悪いと思ったど、ソファに寝かすのが、やっとだったんだからな。」
「・・・・わりい。・・・ここ、タッキーの部屋??」
「そう。俺の部屋。」
「そっか。迷惑かけて、ごめん。」
「・・・・迷惑だなんて、思ってないけど、気分はすっきりした??」
「・・・・・・んん。カラダはだるいけど・・・。なんか、重い石が、溶けた気分。」
「顔、洗ってよいよ。・・・・あ。歯ブラシ、洗面所の下に入ってるから、出していいよ。」
「サンキュ。・・・・恩にきる。」
タオルを、大ちゃんに放り投げて。
二日酔い、とまではいかないけれど、ちょっぴりだるい胃のために作っていた味噌汁をかきまぜる。
・・・・うん。だしのいいにおい。落着くなあ。
米から炊いた、おかゆがタイミングよく出来上がりのピーピーと鳴らしてくれて。
テーブルに、おかゆと、味噌汁と、納豆と漬物。を並べたところで大ちゃんが首にタオルをかけて戻ってくる。
「うっわあ。タッキーまめだなあ。」
「まめかなあ??作ったの、味噌汁だけだけど。」
向かい合わせに座って、いただきます。をする。
「いいよなあ・・・。ダシの匂いで朝目が覚めるって・・・・。」
「だれかさんにも、してあげたい??それとも、してもらいたい??」
べろべろに酔っ払ってる、というよりかは、眠気でヘロヘロって感じだったから、覚えてるよな??
大ちゃん。
俺からのフリに、味噌汁のおわんの底を箸でトントンとつつきながら、考えている。
「・・・・あ・・・。昨日は、ほんと、つきあわせちゃって・・・・ありがとう。」
「どういたしまして。・・・・大ちゃん、昨日泣きながら「まお。あいしてる」って寝言で言ってたけど??」
「・・・・・・ぶっ。マジッスカ??」
思わず、飲みかけた味噌汁を噴出す大ちゃん。
「もう。きったねーなあ。マジマジ。もう、しっかり自覚してんだろ??まおがスキってさあ。
そんな泣くほど好きなのに、役引きずってんのかあ??とか、男相手に変かなあ??とか、思わなくてもいいんじゃないの??自分の気持ち、素直に認めてやれよ。」
自分から、相談しといて、「なんで知ってるの・・・??」みたいな表情でまあるく目を見開いて、俺を見る大ちゃん。
・・・いやいや。友情を甘く見るなよお。
「でもなあ・・・。俺が、まおが好きって確信したところで、まおがどう思ってるかだもんなあ。」
「まおは、間違いなくダイチャンのこと、好きでしょう??」
「スキ、スキ言ってくれるけど・・・・。それって、ひな鳥初めて見たものを親鳥と思うような、スキ、じゃねえ??ほら。俺、まおのこの世界のデビューが同じ舞台で、初主演が同じ映画で。」
「・・・・・そりゃあ。まおの本心はまおにしかわからないけど。トクベツ扱いなのは、確かだよな??」
俺だって、まおのことこんなにスキスキ言っているのに。
まおの視線はいつも大ちゃんを追いかけてるってこと、気がつけよ。バカ。
「まだ、高校生だしなあ・・・・。恋に恋する年齢、だもんなあ。」
「でも、。本物に出逢うことも、ある。」
「いやあ。でも、まおにだって彼女ぐらいいるだろうしなあ・・・・。」
「そんなの、本人に聞かなきゃ、わかんないだろ??」
だから、そっちが恋に恋してつきあったことのある彼女、だと思うけど??
ここまできて、何をそんなに逃げることがあるんだよ??大ちゃん・・・・・・。
「仮に、まおが俺のこと好きだとしても。男同士で、幸せになんてなれっこないだろ・・・。結婚できるわけでもなし、ゲイだって、まおがバッシング受けるかもしれないし。ただでさえ、今回の映画がこんなテーマだったから、どうかなあ??って心配してたのに・・・。」
「まあ、いろんな見方があるからさあ。世の中の人、全員に受け入れられなくて、当たり前なんじゃない??それは、男女の恋愛でも一緒だと思うけど??」
ああ。あの憔悴っぷりは、そんな先の話まで考えて・・・・。
好きだけど、好きになったらまおを傷つけるんじゃないかって、臆病になってたんだな・・・。
だから、自分に言い訳して、役を引きずってるんだって、納得させようとして。
でも、ごまかしきれなかった思い。
「それもそうだよなあ。でも、俺、まおにそんなツライ思いさせたくないよ・・・・。」
ツライのは、どっち??
思いを通じあわすことが出来ずに、一生生きていくのか。
イバラの道かもしれない、と覚悟してしっかりと手をつないで歩んでゆくのか。
そこまでは、俺が決めることじゃない。
大ちゃん。まお。
-------------共犯者になる覚悟、きめれるか??