クスクス笑いながら、床の上を転がって。

じゃれあいながら、お互いの洋服を脱がしあいっこして。

そのまま、なかよく抱き合ってバスルームへとなだれ込む。

「大ちゃん、あらったげる。」
「ええ~~。俺があらったげる~~。」

「・・・てううか、洗いあいっこしたらいいんじゃん。」
「あははっ。たしかにっ!!もうお互いに、してあげたい欲強すぎだよなあ。」

「だって~~。今までしたくてもできなかったんもん。」
「こうやって、触れ合えるだけで、しあわせだよなあ。」

真っ白な泡をふわふわホイップみたいにたっぷりあわ立てて。
素肌が隠れるぐらい、全身に塗りたくって。

こともが、お風呂場であそんで、いつまでもあがってこないのを叱られるようなテンションで、キャッキャいいながら、泡をふうふう吹いて、バスルーム一面にシャボン玉をつくって。

「あ。まお、ほっぺにあわついてる。」
「大ちゃんこそ~~。」

「えいっ!!もっとつけちゃえ。」
「なんだとおお!!お返しっ!!」

なんて、じゃれあって、すっかり頭から泡まみれになって、ハタと気がつけば二人ともゆきウサギみたいに真っ白になっていて。

「あははっ。」
「うふふっ。」

なんだか、可笑しくなって、目をあわせてお互いに笑い合う。
やっぱり、こどもみたいなテンションで、ざあざあシャワーをかけあいっこして。

「もうっ!!目に入るじゃんかあ。」
まおが、勢いのよいシャワーを避けようと、顔の前に腕をクロスさせてガードしている姿があまりにも可愛くて、更にジャアジャアと、かけまくる。

「もうっ。大ちゃん、嫌いになるよお~~!!」
「おおっ!!まお強気っ!!なれるもんなら、なってみろよ。」

な~んて、冗談を言う余裕さえ出てきて。
9日間の離れ離れを乗り越えた俺は、まおに愛されてる自信、ついたからな。



まおを背中から抱きしめる形で、湯船に身を沈める。

「ふう~~。やっぱりこのお風呂が一番落ち着く~~。」
「背中には、俺。だし??」
「もう~~。大ちゃんってば・・・・。」

ほかほかと蒸気の立ちこめる中、頬をピンク色に染めて、うつむきかげんに照れるまおは、それはそれは可愛くて。

「やっぱ、お前かわいい~~~。」
「だから、かわいくないってば。」

ぎゅうううって抱きしめて、今日、何度目かのお決まりパターンのやりとりをして。


狭いバスマットの上で、あえて一枚のバスタオルに包まって、あたたかいお互いの体温を感じあう。
ぽたぽたと髪から垂れる水滴に、まおが目をぱちぱちさせながら、俺を見上げてくる。

「んん・・・・。頭は拭いたほうが、いいよね・・・・。」

そのままキスをするには、水滴が邪魔なようで。

「大ちゃん、ちょっとかがんで??」

素直にいわれるがままに、ちょこっとかがんでまおに頭をさしだす。

「はい。いい子。いい子。よく、お留守番がんばりました。・・・・禁煙も守ってたみたいだね??」

ふかふかのタオルの感触と、まおの心地よいマッサージをしてくれるような指先。

「まお・・・・。約束、覚えてる??」
「ん??なんの??」

キラキラ、ふわふわの笑顔で、なあに?と俺を覗き込むまお。
・・・・・本当に忘れてるのか・・・・・。確信犯なのか・・・・・・・??

「ほら。たばこ我慢したぶんの、ご褒美キス。」
「・・・・・ああっ。そんなことあったねえ。まだ、足りない??」

空港のトイレで、満ち足りるまで抱き合って。
さっきまでも、じゃれあいながら、何度もキスをしたけれど・・・・・。

「だって、9日分・・・・・・。」
「クスクス。・・・・・そんなにタバコ、吸いたかったの??」

「いや・・・。どっちかつーと、まおとキスしたかった・・・・かな??」
「うふふっ。・・・いいよ・・・。今日は、ダイチャンの唇の皮がむけちゃうまで、つきあってあげる。」

「おう!!ちゃんとリップクリームも準備したからな!!」

我ながら、お馬鹿だなあ。とは思うけれど。
あえて。
お馬鹿になって、まおに思う存分甘えたい。

だって、コイビトどうしなんだから。
9日分、お互いにがんばった分、うんと、わがまま言って、あまえたっていいよな??