まおからいつ電話がかかってきてもいいように、大急ぎで風呂に入って、ビールを飲みながら、携帯をテーブルに置いて、コンビにで買ってきた弁当を食べる。

ああ。一日目からこれじゃあ、ダメだなあ・・・・。

一人暮らしの長かった俺は、自炊はお手の物。なんだけれど、まおがいないとなんだか面倒くさくなって、作る気になれなくて。

「俺、まおと離れ離れになったら、絶対早死にするな・・・。たばこといい、食事といい・・・。」

よし。一週間とはいえ、これから何度もそんなことがあるに違いないのだから、これを期にきちんと生活を見直さなければ。よし。明日は、絶対に自炊する。自分自身に誓いを立ててから、まおのブログをチェックする。

ああ。これ、俺と電話した後、かなあ・・・・。
ちょっと目が腫れぼったい。口元笑ってるけど、目がなんだかさみしそう・・・。


手に持っていた携帯から、まおからの着信音。

「あ!!まおだ!!!」

思わず声に出して言ってしまったことに、一人赤面する。
どんだけ、楽しみに待ってたんだっつーの・・・。

「お待たせ~~。大ちゃん。」
「もう、寝るの??」

「うん。明日も早いし、しっかり体力蓄えとかないとね!!」
「寝れそう?さっきのブログの写真・・・。無理してないか??」

しばらく、沈黙が流れる。電話の向こうで、ふう。とため息をつくまおの吐息が聞こえる。

「大ちゃんにはかなわないなあ。・・・・ねえ。大ちゃん・・・。おれが寝付くまで、あいしてるって言って?」
「そのまま、夢の中で俺に愛してるって言われながら、いい夢みろよ・・・。」

「あははっ。そうだねえ。そのまま夢の中で大ちゃんと会えるかも。」
「・・・ああ。会いに行くから待ってろよ・・・。」

「うん。待ってる・・・。大ちゃん・・・。愛してる、よ。」

ちゅっと。綺麗な音をたてて、まおのキスの音が耳に響く。
ああ。俺もまおにキスしたい・・・・。

「まお?愛してるよ・・・・。愛してる・・・。あいしてる・・・。
あいして・る・・・。」

「うん・・。うん・・・。うん・・・・・・。う・ん・・・・・。」

まおの声が、だんだんと遠くなり、やがて静かな寝息へと変わる。
よかった・・・。ちゃんと眠れて・・・・・・。


通話終了。をタッチして、携帯を枕元におくと、寝る時間には早いけれどベッドにもぐりこむ。

まおの夢に会いに行く、と約束したから・・・・。
さっきまで、離していた携帯から、まおの寝息が聞こえるような気がして。
あの、愛し合ったシーツから、まおの残り香がほんのりとして、まおと一緒にベッドに入ったような錯覚を覚えて。

「まお・・・。一緒に・・・眠ろう?」

そっと、まおの姿を思い浮べながら、目を閉じた・・・・・。