稽古の休憩時間に携帯を開くと、「今、~~駅。」「今、~~駅。」と写メつきのメール更新の嵐。その、まおまおまおまお・・・の文字に、ふふっと笑みがこぼれる。
でも、画面の端には、きちんと台本が映っていて。

あはは。やっぱり真面目だなあ。まおは。
何気ない写メにもまおの性格が現われていて、口元が緩む。

まお、もう着いた頃かなあ・・・・・。

きっと、心地のよい緊張感で現場で顔合わせ、してるんだろうなあ。
・・・・身体、大丈夫かなあ・・・??
俺のほうこそ、撮影前のまおに負担かけちゃったからなあ。

なんて思いをめぐらしていると、

「渡辺さんは、なんか飲み物買ってきます??」と声を掛けられ、ふっと我に返る。
そうそう。俺は俺で、この現場を大切にしなきゃあ、な・・・・。
まだ、まおは旅立ったばかり。
寂しくて、心配で、仕方がないけれど、自分が潰されてしまってはいけない。まおが、しっかりと目標とできるような、背中をみせれるようにならないと。

「うんと、カッコイイジャック、楽しみにしてるよ。」

そう、まおの声が耳元で聞こえてきて。

「そうだな。まお・・。楽しみにしててくれ。」
そうつぶやきながら、みんなの輪の中に戻った。