「そうとう重症だよね・・・・。おれたち・・・・・。」

まだはあ。はあ。と乱れた息でぐったりとシーツに顔を埋めるまお。

「一週間でこれだったら、お互いすれ違いで一ヶ月会えませんとかなったら、どうなっちゃうんだろう・・・。」
「ふふ。そのときは、耐え切れなくなったら、とんぼ返りでも会いに行くさ。たとえ一時間しか会えなくても。」

「・・ふふ。やっぱり、重症・・・・。」
「・・・・いいんだよ。それだけ、まおに溺れてるんだから。」

ベッドの中で微笑みあって、そんな睦言を交わす。

「・・・シーツ・・・・。汚れちゃったね・・・。洗わなきゃ。
・・・・つっ・・・うう・・・。」

身体を起こそうとして、痛みに顔をゆがめるまお。

「いいよ。そんなの気にしなくて。俺が、したかったんだから。」
「でも。誘ったのおれ・・・。」
「そんな、腰が痛くなるまで、俺のこと受け入れてくれて。もう、十分に満たされたから。今度は俺がお返ししないとな。」

なんて。やっぱりまおは自分を犠牲にするところがあるよなあ。
俺のことを思って。俺のために尽くしてくれて。俺が癒されているのに。
そんな行動を、「自分がしたかったから。自分のわがままだ。」なんて気をつかってくれて。
ああ。そうだった・・・。やっぱりまおは俺の天使なんだ。


「大ちゃん・・・。血・・・・。」

シーツにしみこんだ赤い染みを見つけ、俺の指先の傷に気がつく。

「あっ・・・。ごめん。おれ、指噛んじゃった・・・??」

そっと、背中も指先でまさぐられ。

「ああっ!!ごめん・・・。背中も、かきむしっちゃった。よね?」
「ふふっ。いいんだよ。まおがそうやって、愛の印。を残してくれて嬉しかったんだから。一週間、消えないといいなあ。」

なんていじらしいまお。
乱れて、激しく求め合ったことなど、すっかり覚えていないかのように、真剣に心配してくれる。

「ええ~~。そんな本番前の大事な大ちゃんに傷をつけちゃうなんて、コイビト失格だよお。」
「大丈夫だよ。本番前には治るから。・・・ほら。俺若いし。」

「・・・・あははっ。いくつだっけ??」
「・・・・三十路。・・・って、言わすなよなあ。」
「自分から振ったくせに~~。」

なんて、冗談を言って笑いあって。

「でも、指、手当てしないと・・・・。」
「いいよ。まおは寝てて。俺が自分でするから。」

「絆創膏、目立つかなあ・・・・。」
「なんか突っ込まれたら、包丁で切りました。とでも言っておくさ。」
心配そうなまおに、そうやってウインクを返した。