ゴロゴロゴロ・・・・・・・・・。

今日はオフの日なので、大ちゃんの部屋に早めにきてまったりしている。

「・・・・・・んん??雷??」

なんだか、遠くで、ゴロゴロ言っているような・・・・気がする。

「天気予報・・・・・。なんだったかなあ??」

ぱぱっと携帯を開き、今日の天気、を調べると・・・・・・。

------------降水確率30%。夕方に激しい落雷を伴う夕立に注意。

「あっちゃあ~~。どうしよう。そんなの知らなかったから、大ちゃん傘持って行ってないよお。」

ゴロゴロゴロ・・・・・・。

相変わらず、遠くのほうでかすかに聞こえる雷。

「・・・でもなあ。雷鳴り出したら、降る時は、もんのすごく降るもんなあ・・・・・。」
「どうしよう・・・・。途中で、ゴロゴロ激しくなってきたら・・・・。雷、苦手・・・・・。」


------------でも!!大切な大ちゃんを濡れて帰らす訳にはいかないのだ!!!
------------よし!!

意を決して、二人分の傘を摑み、玄関を出る。

「どうか、大ちゃんが帰ってくるまで、ゴロゴロさん、おとなしくしててね・・・・。」


帰宅ラッシュの時間帯。
みんなとは、逆の方向に駅に向かう。

みんな、雨が降り出す前に・・・・・。と足早に帰ってゆく。

駅に着くと、まだ雷さんは遠くのほうでゴロゴロいっていて、雨もまだ降らずにいてくれて。

・・・・・・・ほっと、一息。

携帯を開くと、「雨、降りそうだから、傘持って駅で待っています。・・・朝、気がつかなくて、ごめんね。」
とメールを打つ。

・・・・あ。よく考えたら、駅についたら電話してもらえばよかったんだ・・・・・。

いやはや。計画性のない、この行動。いつになったら、直るのかなあ・・・・・・。
将来を想像して、今動けるようになります。宣言したところなのになあ・・・・。
でも、大ちゃんが濡れちゃう、と思ったら、いてもたってもいられなかったんだから、しょうがない。
腕には、二人分の傘。
・・・・ふふっ。しあわせ。

なんて、遠くのゴロゴロさんを聞きながら待っていると、大ちゃんからのメール。

「もうすぐ、電車乗れそう。まお、雷苦手なのに大丈夫?」

・・・・・ふふ。大ちゃんのこと思いながら待ってるから、大丈夫だよお。

「まだ、遠くのほうだから大丈夫。でも、早く会いたい。」

・・・・なんてね。おれのわがままで、駅まで勝手に来てしまったのだ。
大ちゃんなら、自分が濡れることよりも、きおれが駅に来ることのほうを、心配するのはわかってるのに。
でも、会いたいときは我慢しないで、言ったらいい。って言ってくれたから。

・・・・・来ちゃったよ。

ゴロゴロ・・・・。ゴロゴロ・・・・・。

なんだか。怪しい気配。少しずつ、近づいてきているような・・・・・。
ああっ。大ちゃん、早く帰ってきて~~~~。

電車が到着するたび、改札からどっとあふれ出す、人・人・人・・・・・・。
これかな?次かな?
そのたびに、背伸びして、人混みの中ダイチャンを探す。


その時、まばらな人影の中、ダッシュで走ってくる大ちゃん。
改札を素早くすり抜けると、息を切らしながら、おれの腕をつかむ。

「はあ。はあ。・・・・まお、大丈夫だった??」
「・・・・うん・・・。ちょっぴり、怖かったけど、大丈夫。・・・っていうか、大ちゃんこそ、大丈夫??」

全力疾走したかのような、息の切れ具合。

「だってさあ。お前がメールくれてから、気が気じゃなくって。駅に着いたら、怖くて泣いてたらどうしよう。とかって、思って・・・・・。」
「・・・・いくら、おれが涙もろくても、駅で一人では泣かないよお。」

「・・・でも、ありがとね。心配して、急いで帰ってきてくれたんだよね。」

大ちゃんの、あの慌てぷりと、おれを見つけたときの、安堵の表情をみれば、どれだけ自分が愛されているか、わかる。
ああ。このまま、キスがしたい。

でも、できないから。
大ちゃんの指先を、ちょこっとだけ、握り締めて。

「帰ろっか?」
「ああ。雷、ひどくならないうちに。」

ホームを出ると、ぽつぽつと、すでに降り出している雨。

「ああ~~。バッドタイミング。でも、傘持ってきてて、正解だった!!」
「・・・ふふ。俺も、まおとちょこっとでも早く会えてうれしかった。」



傘を開き、並んで歩き出す。
大ちゃんの家まで、あと2・3分・・・・・・。


ゴロゴロ。ゴロゴロ。・・・・バリバリ。

「大ちゃん・・・・。どしよう・・・・。バリバリいい始めた・・・・・・。」
「大丈夫だよ。避雷針があるから、絶対にまおには落ちないよ。」

ゴロゴロ。ゴロゴロ。・・・・バリバリ。ドドドン。
音はまだ、遠くだけど、あの苦手な地響きする音。
ザアアアアアア-----------。

「うわあ。やっぱり降ってきたねえ。雨。」
「ほんと、まおちゃん傘持ってきてくれて、正解。」

激しい雨に、あっというまに足元がびちゃびちゃになる。
ゴロゴロ。ゴロゴロ。

ええん。やっぱり怖いよおおおお。
ああ。よかった。大ちゃんのマンションが見えてきた・・・・・・・。


-----------その時。
ピカッという、閃光とともに、バリバリバリ。ドド--ン!!!
という、激しい、雷の音。

「うわあああ!!!いやあああ!!こわいこわい~~~。」

傘を放り投げて、大ちゃんににがみつく。

バりバリバり・・・・・。

「やだあああ。死にたくない~~~。」
「・・・まお?大丈夫だよ。雷、まおには落ちないから。」

自分も傘を放り投げて、ぎゅううって、抱きしめてくれる、大ちゃん。
ああ。もう、全身ずぶ濡れだ・・・・・。。

「ほら。おさまったよ?まお。今のうちに、家までダッシュ!!」
「ええ~~ん。」

二人分の傘を拾い、俺の腕を引っ張ると、家までダッシュしてくれる大ちゃん。


玄関まで着き、ほっと一息。

「今の・・・・・。落ちたかな??」
「ああ。近くに落ちたかも・・・・な。」

「大ちゃん、ごめんなさい・・・。結局、ずぶ濡れ・・・・・。」
「・・・いいよ?まお。俺は、まおのその気持ちがうれしかった。」

ずぶ濡れで、ぽたぽた水滴の垂れる髪の毛。
ふあんと、優しく包み込まれるような笑顔を返されて。

「うわん。大ちゃん。やっぱり、大好きっ!!!」

たまらなくなって、玄関先で、ぎゅうううう!!っと、抱きついた。



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おはようございますo(〃^▽^〃)o
さりえさん。リクエスト、ありがとうございました!!!
やっぱり、マオ君可愛いですねえ。でも、ワタシ自身が雷大好きなので、あんまり怖がってないかもしれませんがWW

まあ、最後のマオ君の一言、に全部つまってるでしょう。
ってことで。いかがでしょうか??