-----------------今日は、まおがオフの日。

そんな日は、いつも夕食を準備してくれていて。

ドアを開けると、エポロン姿で。「おかえりっ!!」って奥からゴムまりのように飛んできて、抱きついてくれる。

いそいそ。

そんなまおの姿を想像しながら、一刻も早くまおに会いたくて家路を急ぐ。


「ただいま~~。」

いつものように、玄関のドアを開けると・・・・・・。

----------------パタン。

開けたドアをそのまま、閉じた。

なんか、今幻覚をみたような・・・・。まおにすっごく似た、美女が、浴衣着て、座ってた・・・・・。
まお、妹もおねえちゃんもいなかった・・・・・よな・・・・??

もう一度。

そーーっと、ドアを開けると。

「おかえり。だいちゃん。・・・・・・えへへ。びっくりした??」

と、スミレ色の浴衣に、鮮やかなピンクの菖蒲の描かれた浴衣を着たまおが、きちんと膝を添えろえて、膝の上に手を重ねて、座っている。

髪には・・・・・。斜めに垂らされた、三つ編みのエクステ??

胸元には、黒い扇子が挿され、やまとなでしこっ!!!って感じを強調させている。

やばい・・・・。やばすぎる・・・・・。なんで、こんなに美人なんだ。まおは。
・・・・いや、それ以前の問題だろ。なんで、まおが女の子になってるんだ??


「びっくりしたも何も・・・・・。どうしたの??」

「うふふ。今日ねえ。オフだったから。お母さんの、もらっちゃった。・・・似合う??」

「似合うも何も・・・・。お前、俺の自制心、試してる??」

「・・・・大ちゃん、嬉しい??」

「ああ。めちゃめちゃ美人だよっ!!まおっ!!」

ガバっと抱きついて、キスをして。
胸元に滑り込ませようとした手を、つかまれる。

「まだ、ダメ。せっかく、一生懸命着たんだからねえ。そんな簡単に脱がされちゃったら、面白くないでしょ?」
「・・・・・まお、それ、目の前にニンジンをぶら下げれれた馬、状態なんですけど・・・・。」

「ふふ。今日はねえ。もうヒトツ、いいことあるから。先、シャワー浴びてきて??」
「ええ~~。もうちょっと、まおの浴衣姿堪能したいなあ。」

「シャワー浴びてきたら、どうせ一緒にごはん食べるでしょ?」
「は~~い。」

-----------しぶしぶ。
ああ見えて、まおは結構マイペースなのに頑固で。
自分がこう。と思ったら、こう。ってところがある。
そんな時に、あまりごちゃごちゃ欲をだして、色々言うと、プンスカ拗ねてしまって、「もう、寝るから。」とかなんとか、一人で先にベッドに行ってしまって、ご機嫌を取るのに苦労したことが、何回あることか・・・・・。

「せっかく、まおが浴衣、だから俺もきちんとした浴衣、着ようかなあ・・・・・。」

いつもの、寝巻き用のガーゼ地のじゃなくて、深いグレーの渋めの浴衣。
まおは、これが大好きで、いつも「大ちゃんカッコイイ。惚れ直すなあ。」ってうっとり見詰めてくれる。


ザアアアアア-------------。

熱いシャワーを全開にして出し、気分をリセットする。
やっばいなあ。このままじゃ、あのまお見たら、また襲っちまいそうだ。

なんて思いながら。
このあとに体力を残しておくべきか、まおに怒られないように、ココで一旦処理しておくべきか。
なんて、くだらないことをつらつら考えているうちに。

コンコン。

「大ちゃん、そろそろ上がる??」

と、バスルームの外から声を掛けられ、焦った俺は。

「ああ。ちょうどあがるとこ~~。」

なんて、とっさに返事をしてしまった・・・・・・・。

----------------仕方がない。我慢。しよう。