クーラーの効いた部屋で、乾燥しすぎたのか、のどが痛くて目がさめる。

二重サッシのはずなのに、セミの鳴き声がうるさい・・・・・。

「んん~~~。」

目をこすりながら、起き上がると、隣で寝ていた大ちゃんも寝返りをうつ。

寝ている間は、大ちゃんの体温に包まれて、あったかくて、安心できるんだけど・・・・・。
そのぶん、設定温度が低すぎるのかなあ??

明日からは、加湿器も、つけよう。


先にベッドから抜け出して、洗面所でうがいをする。
あ。うがい薬も買っておかなきゃ・・・・・・。
夏風邪は、長引くって言うから・・・・。ダイチャンは、大丈夫かなあ??
今日は、ちょっとキスするの、我慢しておかなきゃ・・・・・。

なんとなく、身体がだるい。
きっと、大ちゃんが今日は仕事だからだ。
そして、おれがオフだからだ。

やる気スイッチが、はいらない。


歯磨きをして、顔を洗って、少し気分が上向いてくる。
さあ!美味しい朝ごはんを作って、大ちゃんにお仕事がんばってもらわなくちゃ!!

昨日から、炊飯器に入れて作っておいたおいたゆで卵を刻んで、マヨネーズとからしとあえて。
きゅうりと、トマトを薄くスライスして・・・・・。
あとは、ハムと、昨日の残りのポテトサラダ・・・・、ぐらいあれば、いっか。

サンドイッチ用のパンを切り、テーブルに並べる。
なんとなく、しんどいけれど、きちんと食べてもらいたい時の定番メニュー。
5分ぐらいで、ささっとできるから、忙しい朝にはぴったりだ。


「だいちゃ~~ん。起きて~~??」

ゆさゆさと、揺さぶる。
薄目をあけるものの・・・・・。またうとうとと、まどろみに落ちてしまう。
毎日、忙しいもんね・・・・・。
なのに、おれのことも気にかけてくれて、少しの時間でも、時間を割いてくれて。

「お仕事、間に合わなくなっちゃうよ~~!!」

更に、ゆさゆさと揺さぶると、腕を引っ張られ、ベッドの中に引きずり込まれる。
ぎゅうう~~~。と抱きしめられ、息ができない。

「・・・・もう!!起きてるんじゃない!!そんな、全力で抱きしめられるほど。」
「ふふふっ。もうちょっとだけ・・・・・・。」

髪の毛をいじり、背中をさわさわと撫でている大ちゃん。
・・・・ま、いっか・・・・・・。
あと、10分だけ・・・・。こうしていよう。

大ちゃんの鼓動に混じって、聞こえてくるセミの鳴き声。

「大ちゃん・・・・。せみ、うるさくない??」
「・・・・うん?そうかなあ・・・・。俺、結構、好き。」
「だって、暑いのが余計に暑くなる・・・・・。」

「まお。せみの脱皮ってみたことある??」
「・・・・なあに?唐突に。」

「きっと、見たらセミのこと、好きになるよ。」
「ふ~~ん。そういう、もの??」

「今日、仕事終わったら、夕方セミの幼虫、捕まえに行かないか?」
「・・・・えっ!?捕まえれる、もんなの?」

「うん。きっと・・・・。感動する。」


自分で、好きな具を挟む形式のサンドイッチを食べて、大ちゃんを送り出してから、後片付けをして・・・・・。
一緒に外出するのも久しぶりだなあ・・・・・・。
しかも、セミの幼虫取り。・・・・ふふっ。なんだか、小学生の自由研究みたい。

夕方、仕事から帰った大ちゃんと一緒に近所の公園に虫かごをもって歩いてゆく。
こんな公園に、本当にせみの幼虫なんて、いるの??

抜け殻が、たくさん木にぶら下がっているのは見るけれど、実際に生きた幼虫を見たことはない。
大ちゃんが、順番に木の幹をさがしている。

「・・・ほら!まお。いたいた。」
「・・・・・・どれ??」

大ちゃんが指差した木の幹を見ると、本当にあの抜け殻そのまんまの姿が動いている。

「・・・わあ!!すごいっ!!初めて見た~~!!」
「・・・・かわいいだろ?」

2匹だけ、虫かごに入れて、他の木を見てみると、次々に見つかる幼虫達。

「うわあ!!こんなにたくさん・・・・・。全然、知らなかった。いつ、こんなにたくさん生まれてるのかなあ?と思ってたら・・・・・・。この時間帯、だったんだね。」
「子供の頃は、夏になるたびに、こうやって捕まえに来てたからなあ・・・・・・。」

「だいちゃんって、子供の頃から何でも知ってたんだね。」
「・・・・いや。ふつうでしょ?それ、まお買いかぶりすぎ。」

尊敬、キラキラだあ!!

家に帰って、カーテンによじ登らせる。上に、上にと登っていく二匹の幼虫。

「・・・まお、暗くしないと脱皮しないから・・・・・・。」

部屋のライトを落とし、懐中電灯を出してくる。
しばらくすると、背中が割れて、透き通った水色の身体が現れてくる。
ゆっくり、ゆっくりと脱皮しながら、全部からを脱いでいく。

なんとも幻想的な美しさで・・・・・・。
昼間、あんなにうるさいセミとは、思えない。

「・・・・な?きれい、だろ?」
「うん・・・・。とってもきれい・・・・・。」

7年間も、土の中にいて、こんな神秘的な変化を遂げて、たった2週間の恋のために生きるんだ・・・・・・。

「なんか。おれ、セミに悪かったかなあ・・・・。うるさい、なんか思っちゃって・・・・。」
「そうやって、素直な心で感じられるまおが好き、だよ。」

こつん、と頭を引き寄せられる。
朝の、けだるげな気分なんで、すっかりどこかへ飛んでいってしまっていた。


-------次の朝。

つがいで、すっかり羽根の乾いたセミたちの飛び回る羽音と、鳴き声で目が覚める。

すっかり、オトナになったんだね。
2週間の命、2匹で、しっかり生ききってね!!!

そんな思いを込めて、2匹のセミを、窓から逃がした----------。

うん。セミの鳴き声も悪くない、ね・・・・・。



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すみません。なんだか私がけだるくて、やる気がないので、なんだかテンションの低いお話になってしまいました。暑い・・・・。眠い・・・・。
お仕事、今日は忙しかった・・・・・。というか、本当に人がいなくて、新人さんかわいそう。
二人分、働くけど~~!!そのときはテンションあがって楽しいけど、家に帰るとどっと疲れます。

まあ、個人的なことは置いといて・・・・・。
セミ、少しでも好きになって、夏を楽しめたらなあ。と思います。
田舎の子は、常識だけど、都会の子は、幼虫取りとかしてなさそうWWと思い・・・・・・。

私もオトナになって、今の家に越してきてから初めて知りました。
5年ぐらい前から、夕方になったら、幼虫探し。
本当に、脱皮の瞬間は何度見ても、神秘的ですよね・・・・・・。

あんまり萌なお話ではないかもしれませんが・・・・・。
高原ホテルを書く元気がないので、だらだらと書ける日常をヒトツUPしてみました(=⌒▽⌒=)