初めてダイチャンの家に泊まった次の日の朝・・・・・・・。いや、昼??

「たっだいまあ~~~~!!ロクうう~~~。いい子にしてたあ~~~??
・・・・・あれえ??ロク~~~~??」

いつもは、帰ってきたらすぐに飛んできて、足元にすりすりするロクの姿が・・・・ない。

「ロク~~??」

心配になって、他の部屋や洗面所や、はたまたトイレまで探しにいくけど、見当たらない。

「ロク、だれかとお出かけ・・・・?かなあ・・・・。そんな話、聞いてないけど・・・・・。」


一通り、家の中を探して帰ってくると・・・・・・。ベッドの陰に隠れるようにして、じっとこっちを覗き込んでいる、ロク。

「なあんだあ!!いたんだあ!!いたなら、いたで返事してよう!!心配、するだろっ!!」

抱き上げて、すりすりするけど。、いつもの鼻ぺろのお返しが・・・・ない。

「なんで、そんなに機嫌悪いの~~??
あのねえ・・・。ロク・・・・・・。ここだけの話・・・・・・。ふふふっ。だいちゃんと・・・・・・・。とうとう、一線を越えました~~~!!」

嬉しい報告で、テンションがあがり、ロクの口にちゅううっ!!!と派手なキスをする。
ますます、ぶっすーと顔を背けるロク。

「ロク~~~。うれしいよう。やっと、ダイチャンのと両思いになれた~~!!!
・・・ロクも、よろこんで、くれるっ??」

ロクを抱っこしたまま、ベッドにボスン!!とダイブする。

「・・・・・・・ん?・・・・んんっ??」

なんだか、ベッドが臭い・・・・・・・。

「ああ~~~!!ロク、ベッドでおしっこしたでしょう!?もう~~~。なんで、トイレでしなかったの??」

ロクは、ちゃんとトイレのしつけができていて、毎日一緒にベッドで寝るけど、お漏らしなんてしたことがない。
・・・・・これは、もしかして・・・・・・。確信犯??

「ロク・・・・・。もしかして、一人ぼっちにされた腹いせに・・・・。おしっこした??」

なんで、わかったんだろう。ダイチャンの家に行ったことが。
昨日は、帰り際に誘われて行ったから、ロクには言っていないはずなのに・・・・。
お仕事で、朝まで帰らない時は、ちゃんと一人でベッドで寝てるのに・・・・・・。

「もしかして、やきもち??」

ロクの顔をのぞきこむと・・・・・・。鼻を猫パンチされた。

あははっ!!ロク、かわいい~~~。
よし!!次、ダイチャンの家に行く時は、ロクも連れて行ってあげるね。



------------今日は、おれがオフで、ダイチャンが舞台稽古の日。

ふふふっ。晩御飯を作ってまっていて、ダイチャンをびっくりさせてあげよう。
昼間に買っておいた食材の入ったスーパーの袋を右手にさげ、左手には・・・ロクを抱える。

預かっていた合鍵で、大ちゃんの部屋のドアを開け、ロクをおろす。
おれは、キッチンで晩御飯の支度をはじめる。

ロクは、初めて見る部屋に、落ち着かない様子で、少し探検しにおれから離れたかと思うと・・・・。また擦り寄ってきて。の繰り返し。




WWWWWWWここから、大ちゃん目線です。

---------ガチャ。

あ。鍵が開いてる・・・・・。まお、、もう来てるんだな。
ふふふ。と口元がゆるむ。
家に帰ったら、まおが待ってくれている、という待ちに待ったシュチュエーション。

「おっかえり~~~。」

奥から玄関まで、ダッシュで飛んできて、首にすがりつき、お帰りのキッス。
うわお!!まお、かわいい~~!!!
ぎゅっと抱きしめて、俺からも深いキスを送ろうとすると・・・・・。

足元で、俺のデニムの裾をカジカジする・・・・・ネコ。
これは・・・・。もしや、有名な・・・・まおの溺愛する・・・・ロク??

「まお・・・・・・。もしかして、ロク、連れてきたの??」

「・・・・・え?ダメ、だった・・・・・・??」

「や・・・。いいけど・・・・・。」
そんな、上目使いでおねだりされては、ダメ、とは言えない・・・・・・。

「俺、ロクに好かれていない気がするのは・・・・・気のせい??かなあ。」

「そんなことないよ~~!!おれの大好きな大ちゃんなんだから、当然、ロクも好き、だよね??」

ロクを抱き上げ、俺の目の前に、ずいっと差し出してくる。
ネコの表情はよくわからないけど・・・・・・。なんだか、歓迎はされていない気分。

----------奥から、ダシ汁のいいにおいがしてくる。

「わあ!!もしかして、まお、ごはん作ってくれてた??」

「あっ!!そうそう~~。ハンバーグと、味噌汁と、サラダ。簡単なものばっかりだけど・・・・・。
・・・あっ!!火、点けっぱなしだったあ!!」

パタパタパタ・・・・・・。とキッチンのほうへ走っていくまお。

ソファの上に脱ぎ捨てれたまおの上着の上に、ちょこんと座り、俺をにらんで来る??ロク。

「もしかして・・・・・。両思いになった瞬間にロクがライバル?かよ・・・・。」

・・・ううっ。それは、どうやったって、不利だ。
ネコと、人間。
そもそも張り合えるわけがないし・・・・・。ロクみたいにふさふさの毛もないし・・・・。ロクみたいな愛くるしさも俺には・・・・ない。

---------ああっ!!ロクのあの勝ち誇ったような、顔!!
・・・いや、表情は、わからないけど・・・・・。
そんな気が、する。

食事の時も、まおの足元にまとわりつき、まおがシャワーを浴びている時も、バスルームの前でドアにすりすりし・・・・・。

ほかほか湯気が立っている風呂上りのまおを抱き寄せようとすると・・・・・。
ジャンプして、腕の上にのっかってくる。

これでは、落ち着いていちゃいちゃもできない・・・・・・。

「・・・・・・ごめんな。まお。ちょっとの間、ロク、バスルームに入れててもいい??」

バスルームのトビラを閉め・・・・・。改めて、まおを抱き寄せ、キスをする。


「にゃあ~~~!!」
------------ガリガリガリ。
バスルームのトビラを、引っかく音、とロクの鳴き声。

「・・・・あっ!!ロク~~。」

俺との、キスの合間、だぞ??
それでも、キスよりもロクのほうが気になるらしく・・・・・・・・。

バスルームに、飛んでいく、まお。

「・・・・・悪いけど、まお。次から、ロク連れてくるの、禁止・・・・な??」

「・・・・え?う、うん・・・・・・。」

さすがのまおも、ロクが気になるものの、ちょっぴり欲求不満な表情。

・・・・ああ。よかった・・・。

これで、「そんなこと言うだいちゃんなんか、嫌い!!」とか言われたら、俺、一生立ち直れねーわ・・・・・・。


その日は、いちゃいちゃは諦めて、素直にベッドに入る。


俺と、まおの間にロクが当然のように滑り込んできて・・・・・・。

俺と、ロクと、まおで川の字で、ベッドに入った・・・・・・。