----------------出会いは、突然にやってきた・・・・・・。


ぼくは、この春高校を卒業し、以前から憧れていたホテルのサービス業を目指して、就職活動をしていた。
なかなか、この就職難のご時勢、専門学校も行っていない僕には、どこのホテルも厳しくて・・・・。
書類選考で落とされることが、ほとんど。

街をぶらぶら歩いているときに見かけた、不動産やさんの窓に張られた張り紙。

「新規、オープンにつき、スタッフ募集」


張り紙に書かれた住所を片手に、電車とバスを乗り継ぎ、ついた先は・・・・・。

自然がまだ色濃く残る、高原のなかにたたずむ、こじんまりとしたホテル。

さわやかな風が吹き、森林浴ができそうな、美味しい空気。
目を閉じると、さらさらと、遠くで小川の流れる水音が聞こえ、鳥たちのさえずりに耳を傾ける。

「なんて、すてきな場所なんだ・・・・・・。」

どんな仕事でもいい。
この素敵な場所で働きたい・・・・・・。

そう、心に決めて、ホテルのドアを開けた。


通されたのは、真新しい木の香りがする、ホテルのロビー。

「あのっ!!張り紙を見てきたんですけど、雇ってもらえませんか??」

「・・・・・・。そうだねえ。あいにく、ボーイはもう足りてしまって・・・・。清掃員、とかなら不足しているんだけど・・・・。」

「・・・なんでも、しますっ!!ここで、働かせてください。すっごく、素敵なホテルで、一目ぼれ、したんです!!!」

「・・・・・・気持ちは、うれしいけど・・・。君みたいに綺麗な子、清掃員で雇うのは、もったいないなあ。
他に、いくらでも仕事があるだろうに・・・・。」

「・・・いえっ!!ホテルで、お客様の夢をかなえるのが、夢なんです。でも、どこも断られて・・・・。・・・ダメ、ですか??」

「・・・・・・いや。君みたいに若い子が働いてくれたら、そりゃあ嬉しいよ。清掃員、なんて体力仕事だからねえ。・・・・・こちらこそ、本当にそれでいいの??」

「・・・・はいっ!!ありがとうございます。」


そうして、晴れて。
この高原ホテルの清掃員になれた。

オーナーさんに案内してもらったホテルは、2階建てで、20部屋しかないこじんまりとしたつくり。
天井も、壁も、床も、総ムク材で、木の香りに包まれて、なんとも癒される。

こんなホテルを建てた、オーナーさんのセンス、尊敬するなあ・・・・・。

一通り案内され、階段を下りようとすると、登ってくる人影・・・・。

「あっ!!オーナー。おはようございます。」

「ああ。渡辺君。おはよう。」


-----------------ドキン。

ぴったりしたベストをかっこよく着こなし、優雅な身のこなしで、近づいてくる人影。

「・・・・・あれ?オーナー。その子は?新入りさんですか?」

「・・・ああ。明日から、清掃員で着てくれる、浜尾京介君。よろしくな。」

「うふ~ん。明日から、よろしく。」

ふわりと微笑まれたその笑顔にドギマギして。
握手を求めて差し出された手に反応できずに、その手をじっとみつめてしまった・・・・・。

「・・・・緊張してるの??・・・大丈夫だよ。みんな優しいヒトばっかりだから。」

握手をしなかったことに、腹を立てるでもなく、くしゃくしゃっと頭をなでてくれる。
・・・・・ああ。おっきくて、あったかい手が、きもちいい・・・・・・・。

明日から、このヒトと、この素敵な場所で毎日仕事ができるんだ・・・・・。

そう思うと、明日が待ち遠しくて、しかたなかった・・・・・・。


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さあ。新シリーズです。
告白まで、考えていましたが、私の勘違いのため、全然違うお話になってしまいました。
コンシェルジュって、教育係みたいなものだと思っていたので。

もともと、だいちゃんのことを好きだったまお君。
一流ホテルで、だいちゃんとぶつかって、掃除の水ひっくり返して、クリーニング代払うために呼び出して・・・告白。というパターンでしたが・・・・。

なんか、このホテルのイメージと、コンシェルジュというお仕事をあわせると、なんか違うなあ?と思い、書き直しですWWW

もっと、身近な感じですよね?きっと・・・・。