遅めのランチを、ホテルのレストランで過ごして、部屋に戻り、荷物をまとめる。

ああ。このホテルとも、さよならだ・・・・・。

たった、2泊だったけれど、いっぱい思い出の詰まったこのホテル・・・・・・・。

この、バスルームで愛し合って。この、ベッドで愛し合って。
あの、レストランで、満天の星空を見て。
あの、プールで永遠の愛を誓い合って・・・・・・・。

ヒトツ、ヒトツの出来事を思い出しながら、写真にとってゆく。
もちろん、一眼レフカメラで。

そこに、ダイチャンと、おれも入れたくて・・・・・。
ベッドに腰掛けた、だいちゃん。
シャワールームの壁にもたれかかっただいちゃん。

そして
ダイチャンにもカメラの説明をし、バルコニーの手すりにもたれ、おれも撮ってもらう。
出来栄えは、きっとどんな写真でも、素敵。
だって、愛するヒトに見つめられながら、撮ってもらっているんだから・・・・・。


フロントに、鍵を返す。
ボーイさんの、人懐っこい笑顔が、逆に切なくて・・・・・。

うるうるしてしまっているおれをみて、ホテルの住所を書いた名刺を差し出され、
さらさらっと、裏に名前を書いてくれる。

・・・・はい・・・・。寂しくなったら、また来ます・・・・・・。
一所懸命英会話も勉強して、お手紙も書きます・・・・・・・。


そして。
ホテルのボーイさん何人かと、ダイチャンと、集合写真を撮って。

「二人きりで、とってあげる。」と言われ、あの思い出のレストランで、森と海をバックに撮ってもらって。

なんだか、全てが許される気がして、向かい合って、やわらかなキスを交わして。

そんなシーンでさえ、やさしく微笑んで見守り、、カメラに収めてくれた・・・・・。


役になりきって撮るキスシーンはあっても、「浜尾京介と渡辺大輔」として思い出に残るキスシーンなんて、ないと思っていた。

・・・・・・ありがとう、ございます。

一生の、思い出になります・・・・。

名残惜しさは尽きないけれど、チェックアウトをしてホテルをあとにする。



---------さあ。帰ろう。

おれ達を待っている、日本へ・・・・・・・。