今回は、ベイ・ビューという、小高い丘に立つコテージとホテルが一緒になったところ。
コテージも捨てがたかったけれど、今回は2泊3日なので、便利なホテルのほうにした。

ロビーでくつろいでいると、デンファレの蘭の花を挿したトロピカルカラーのドリンクをサービスしてくれる。
「ほら・・・。まお・・・。」

・・・・・やっぱり!!

ドリンクに挿してある花を、おれの耳の後ろに挿し、シャメをとる大ちゃん。
もう、ツボをおさえているおれは、ウインクして、人差し指を口元にもっていって、その指にちゅ!と音をたててキスをした。

「かわいい・・・。まお。」

画面を二人で確認して、満足そうに微笑むと、おれのほっぺにちゅっ!と軽いキスをくれた。

「なんかお前・・・・・。こなれてきたなあ・・・・・。
昔は、もっとシャイだったのに・・・・・。」

「ふふふ。だいちゃんが、*まおのベストショット*とか、作るからだよ。
どんなおれが好みが、だいたいわかってきた。」

どうやったら、一番可愛く見えるか、鏡の前で、日々研究中なのだ。

「じゃあ、これもベストショットいり、だなあ~~~!!」

などど、盛り上がっていると、「カメラうつすよ?」とホテルマンが声を掛けてくれる。
自撮りするつもりだったけど、折角だからとってもらおう!!!


だいちゃんと、たくみくんの時みたいに、寄りかかり、ダイチャンは肩を抱いてくれる。
ばっちりカメラ目線で決めた後は、色気を含んだ流し目に変わり・・・・・。
ほっぺにキスされる。

あとで、画面を確認すると、それもしっかり撮ってくれていた。

うわあ。恥ずかしい・・・・けど、このダイチャンの目・・・・・色っぽい・・・・・。
あとで、絶対転送してもらおう!!!


ひとます、部屋に荷物を置いて。
貴重品だけセーフティBOXに入れて、外に出ることにした。


ホテルから、すこし下ったところにこの島一番のビューポイントがあるらしい。


うっそうとした、密林が途切れ、ぱっと視界がひろがる。

「うわあ!!  すごいっ・・・・・。まっしろな、ビーチ・・・・・・・。」

まだ、観光開発がすすんでいないこの島は、見渡す限り、椰子の木と白いビーチが永遠に続いていて。

この感動を、共有しているであろう、ダイチャンに、トン。と背中をあずけると、ふんわりと腕をまわして、抱きしめてくれる。

透き通るような、高い、スカイブルーの空と。
深さによって、色合いが微妙にちがう、エメラルドグリーンの海と。
さらさらに違いない、とその感触まで伝わってきそうな、真っ白い砂浜と。

見下ろすと、ビーチまで、階段が繋がっている。


「おりてみよっか。・・・・・まお?」

抱きしめていた腕をほどき、先に下りて、手を差し伸べてくれる。
何気ない、エスコート。
なんだか、お姫様になったような、くすぎったい気分・・・・・・。

その掌に、手をかさねると、ゆっくりと手をつないで階段をおりた。

海岸を、二人で歩き、貝殻や珊瑚を拾い集める。

聞こえてくるのは、ねっとりと吹き抜ける風と。
木々のざわめきと。
波の音だけ。

大地に抱かれたくなって、砂浜にうつぶせになり、地面に耳をつける。

その隣に、ただ黙って、一緒に寝そべってくれるだいちゃん・・・・・。

「ん・・・・・。」

しばらくすると、おれの髪の毛を、やさしくなででくれる。

砂浜から伝わるぬくもりと、ダイチャンの大きな掌から伝わるぬくもりが、気持ちいい・・・・・。

いつのまにか、まどろみに、いざなわれていた・・・・・・・・。