波打ち際に、ぷかぷかと浮かぶ、いくつかの椰子のみ。

寄せては返す波に揺られて、ゆらゆら。ゆらゆら。

美しい夕日まで、届く・・・・かな?

そんな衝動にかられて、椰子のみを空高く、思いっきり、ほうりなげる。

水しぶきを上げながら、弓なりに弧を描いて、海に落ちてゆく。

「ふふっ・・・・・・。やっぱり、無理、だよね・・・・・・。」

でも、もう一度、やってみたくなって、そのまま海にはいってゆく。

---------さっき、着替える暇なくて、よかった・・・・・。


そうやって。椰子のみと戯れていると、やしのみごと、ダイチャンに抱きしめられる。

お互いの胸に当たる、やしのみの固い感触が、少し、痛い。

見上げると、夕日にてらされて、薄紅色にそまったダイチャンの顔・・・・・・。

光にキラキラとすける髪が、この世のものとは思えないぐらい、幻想的で。


うっとりと、瞳を閉じて、その唇がおりてくるのを待った・・・・・・・・。