「んっ。んっ。んん~~~~。」

-----------苦しい・・・・・・。

酸欠で、頭がくらくらする。
ここ、どこだっけ・・・・・??

目を開けると、ダイチャンの、アップ。

「・・・・おはよ。ま~おっ!!」

「あのね・・・。おはよう、じゃないよお。
死ぬかと、思った・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・熱烈な、朝のキス。
まおの寝顔見てたら、どうしてもしたくなったんだから、しょうがないじゃん。」

ふふふ。
と、まったく悪びれずに笑うダイチャン・・・・・。

------------ま。いいけどね・・・・。


向かい合って、ぎゅううっと抱きしめられ、背中にあたる冷たい感触に違和感を覚える。

「・・・・・ん?・・・なに?」

ダイチャンの腕をほどき、指先に光るものを見つける。

「あ・・・・。昨日の・・・・。
・・・・・あっ。どうしよう・・・・。まだ、傷治ってないよ?」

「・・・・・・いいんだよ。むしろ、一生治らなくて、いいぐらい。
治っちゃったら、何度でも、何度でも、またまおがつけてくれよ・・・・な。
ペアリングは、また日本に帰ったら外さなくちゃならないんだし。」

-----------ぺろり。
と、その傷を、自分で舐めるダイチャン。

「-----------俺は、まおのものって証拠。」

満足げに、微笑んで、肩を抱き寄せられる。

「・・・・まおにも、つけていい?」

「ふふ・・・・。一体、何回結婚するんだろうね・・・・。俺たち。」

返事の替わりに、薬指をさしだす。

-----------チクン。

微かな痛みが、胸をきゅうんと締め付ける。
だいちゃんのもの。という証・・・・・・。



-----------ゴロゴロ。

二人で、腕をくっつけながら、いたずらに脚をからませながら、ベッドで雑誌をめくる。

「今日は、何、しよっかな~~~。まお、何したい?」

「え~~。どうしよう・・・・。マリンスポーツとか、要予約ばっかりだね・・・・・。」

「・・・・・あ。これは?シュノーケリング。
ウエットスーツも、全部レンタルだし、時間までに連絡しとけば、
あとは現地に行けばいいだけみたいだけど。
・・・・まお、きのう魚とめっちゃ戯れてたじゃん!!」

「・・・・ほんとだね。海もきれいし・・・・。そうしよっか!!」


シャワーを浴びて。
朝食を摂りに、バイキング方式のレストランへと向かう。

「おなか、すいたねえ・・・・・・。」

「ま~~おっ!!たまご、何にする?」

「ん~~。じゃあ、目玉焼き。」

ダイチャンが、卵をオーダーしてくれている間に、フォークとスプーンをとってきたり、
熱いコーヒーを入れたりする。

--------わお!!パンにならんで、おいしそうなフルーツや、チョコのケーキ。

俺の分は、こっち・・・だなあ。

「だいちゃ~~ん。ケーキも、あるよっ!!」

「・・・・まおじゃあるまいし・・・・・。食事代わりのケーキはどうかと・・・・・。
・・・・あ。おかゆあるじゃん。・・・・俺、そっちがいい・・・・・。」

「だいちゃん・・・・・。年寄りくさい・・・・・。」

「・・・・ん?なんか言った?」

「・・・ふふっ。何でもな~~い。」

おかゆをよそってあげて・・・。彩りよく、トッピングをちりばめて。

--------ああ。好きなヒトのために、何かをしてあげるって、なんでこんなに幸せなんだろう・・・・。


「・・・・どうぞ。」

「おう!サンキュー。まお。」

ちょうど、目玉焼きも出来上がったらしく、コックさんから二人分受け取って、ダイチャンがテーブルにつく。

その、何気ないしぐさが、とっても様になっていて。

「・・・・ウエイターでも、いけそう・・・・。」

「・・・・はははっ!!それ、惚れた欲目ってやつだよ。そんなに俺、器用じゃないと思う。」

「・・・ダイチャン、ウエイターだったら、そのお店通いつめちゃうなあ・・・・。
・・・・あ。でも、女の子のファンクラブ、とか出来そうだから、やっぱ、ヤダ。」

「まおちゃ~~ん。勝手に想像して、勝手にやきもちやくの、やめてもらえます?」

「・・・・ふふっ。何しても、ダイチャンがかっこいいから、わるいんだよ~~。」

なんて、他愛もない会話をしながら、お腹いっぱいになるまで、朝食を楽しんだ。


--------帰り際。

フロントで、雑誌を片手に、「ここに行きたいいんだけど。」と、不自由な英語でジェスチャー混じりに
話す。
なんとか、通じたみたいで、電話をしてくれる、ホテルマン。

どうやら、11時の回が取れたみたいで、無人島までボートでいくらしい。

昼食も、無人島で出してくれるとか。

「これ、もって行くといいよ。」
と、魚にあげるためのパンを渡してくれる。

--------わあ!!うれしい。

たくさん、感謝の気持ちを伝えたかったけれど、「thank you so much」しか言えなくて・・・・。
日本に帰ったら、英会話に通おう・・・・・・。