ザアアア-------------------。

まだ、降り止まぬ、スコール。

お互いに繋がったまま、雨音を聞く。

大ちゃんの鼓動と、二人だけの世界にしてくれる雨音。
湿った空気の匂いと、大ちゃんの少し汗ばんだ、甘い香り。


日常から離れ、世界に二人きりでいるような、錯覚を覚える。
秘密の恋をしていることさえ忘れて、このまままどろみそうになる。


----------ピチャン。ピチャン。


頭上の大木からたれる雨音が、変化する。

ふと気がつくと、一時間もしないうちに、雨もやみ、青空が、広がっていた。


「うわあ・・・・・・!!きれい・・・・・っ・・・・・!!」

俺たちのいる、砂浜は真っ白に輝き、
目前には、エメラルドグリーンに輝く海が、はるか水平線までつながっている。
その水平線からのびる・・・・・・虹。

「すごかったねえ・・・・。スコール・・・・。
空気中の汚れを、全部洗い流しちゃったみたい・・・・・。
あんな、きれいな虹、初めてみた・・・・!!」


砂浜にふたり並んで膝をかかえて座り、頭を、こつんとくっつける。
こんな、ロマンティックな風景を、一緒に共有できるなんて、なんて幸せなんだろう・・・・・。



「大ちゃんも・・・・・行こっ・・・!!」

急に、真っ白い砂浜に、足跡を残したい衝動にかられ、ダイチャンの腕を引っ張って、
海に向かって走り出す。

雨上がりで、しっとりとした砂の感触が気持ちいい。

ザザ--------------。
ザザ--------------。

寄せてはかえす、波の音。

この時間が素敵すぎて、この水平線の彼方には、日本があるとは、信じられない・・・・・。

ずっと、このまま二人っきりで。
時が止まってしまえばいいのに・・・・・・・。


パシャ。
パシャ。


波打ち際を、ふたり並んで散歩する。
------------穏やかな、沈黙。
なにも話さなくても、つないだ手の指先から、お互いの愛情が伝わってくる。


「濡れついでだから・・・・・、入っちゃう?海。」

どこまでも、透明感のある水は、お互いの足先まで、くっきりと、映し出す。


「・・・・・うわああああ!!!」

---------突然。
足裏に、むにゅ。とした気持ちの悪い感触。
思わず、目の前のダイチャンにしがみつく。

「なになになにっ・・・・・・!!!」

よくみると、海底には黒い塊が、ぽつぽつと・・・・・・。

「・・・・・・ああ。なまこ、だよ。・・・・ふふっ・・・・。
別に噛み付いたりしないから、大丈夫だよ・・・・・・?」

「うわあ・・・。びっくりした・・・・・・。」

ドキドキドキ・・・・・・・。

改めてあたりを見まわすと、膝ぐらいの深さなのに、黒くてかわいい魚がスイスイと泳いでいる。


「わあ!!かわいいっ・・・!!
みてみてっ!!大ちゃん・・・・・・・。」

捕まえようとすると、するり。と指先から逃げてゆく。

夢中になって追いかけているうちに、胸のあたりの深さまで、きてしまう。

シャツがまとわりついて、泳ぎにくい・・・・・・。


「脱いじゃえよ。まお。」

・・・・・・・・・・・・魚に夢中になって、すっかり忘れていた大ちゃんの、存在。
でも、ちゃんと俺についてきてくれていて・・・・・。

後ろから、ゆらゆらと、シャツを脱がしてくれる。


「・・・・・・・ぷっ。」

「何が、おかしい?」

「だって・・・・・。さっきは脱いだらダメって言ってたのに・・・・・・。」

「・・・・・・悪いか。服のまま泳いだら、危ないだろうが。
ここなら、誰からも見えないし、まおの色気にやられる気の毒な人間もいないし・・・な。」

「・・・・・え?そういう意味、だったの?」

・・・・・・だったとしたら・・・・・。もっと、もっと、大胆なことしてましたけど・・・・・。

「・・・いや。まおのシャツ姿が色っぽかったのは事実だけど。
お前、まわり見る余裕なさそうだったから・・・・・。
もし、人が来た時のために・・・・。予防線。」

ふふっと、ダイチャンが、笑う。

・・・・・・・・ええ~~~!!

なんか、そんなことまで考えられてたなんて・・・・・・。
思いつくままに行動してしまった自分が恥ずかしい・・・・・・。


本当に、この俺のコイビトは。
余裕なさそうにみえていても、しっかりと俺を守ることを考えていてくれて。
やっぱり、オトナ、なんだなあ・・・・・・。


「いつも、いつもお世話になりっぱなしで・・・・・。すみません。」

体温とほとんど変わらない、生あたたかい水の中で、大ちゃんの首に腕をまわして、ぎゅっとだきついた。

「ふつつかモノですが、今後ともよろしくお願いします・・・・・・。」


「おっ・・・!!
滅多にない、まおからのプロポーズっ!!

今日は、積極的な色気のあるまおを見れて、プロポーズまでしてもらって。
がんばって休みとって、奮発した甲斐、あったなあ~~~。」


うきうき。
という声が聞こえてこんばかりの、上機嫌の、大ちゃん・・・・・。

まあ。
こんなに喜んでくれるなら、天然でも、いっか・・・・・・。




wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

えっ?そういう展開??
虹と海に入るけど、シャツを脱ぐ。(別にエッチな意味じゃなく)
しか、考えてなかったのですが・・・・・。

おもしろいオチを、まお君がつけてくれました。
大ちゃん、よかったね!!

これ、限定シーンがちょこっと入ってしまっていますが・・・・・・・。
ページ変更の都合上・・・・。

多分、さらっと読んでしまえば気がつかないはず・・・!!
と、そのままいっちゃいました。

この旅で、もう一回限定シーンがあると思うので、今回は我慢、です。
体力もたないから・・・ね。
大マオも、私も・・・・・得意げ

・・・・・・これ、書き続けててもいいですか??
本当に、いちゃいちゃさせるためだけのお話・・・・・。ですよね。
まあ、書いているぶんには楽しいのですが。

大マオに甘い時間をプレゼント!!と思って書き始めたのですが。
基本的に、あまい人間ではない私は、甘いだけが続くと・・・不安になってしまいます・・・・。