「まお・・・・・。プレゼントが、あるんだ・・・。」

「え・・・・?まだ・・・・・??
・・・・・もう、じゅうぶんだよお・・・・・・・。」

「だって・・・・・。形に残るプレゼント、何もしてないだろ??」


・・・・・・・本当だ。電報はもらったけど・・・・・。

なんだか、もう胸いっぱいすぎて、
両手に抱えきれないぐらいのプレゼントもらった気分なんですけど・・・・。


「・・・・・これ。」

ポケットから、小さな包みを取り出す。

月明かりに照らされて、やわらかく輝くムーンストーンのネックレス。

「ちょっと、女の子っぽいかなあ?と思ったんだけど。
綺麗で、やさしいまおにぴったりだな。と思って・・・・・・。

六月の、誕生石なんだって。」


「や。そんな。きれいでやさしいなんて・・・・・照れちゃうじゃ、ないか。」

うん・・・・。でも、とっても、きれい。」


そっと後ろから手を回され、ネックレスをつけてくれる。

首筋に触れる、だいちゃんの手の感触・・・・。


「俺の、気持ちだから・・・・・・。」


ちゅ。と首筋にキスされる。


「なあ・・・・・。ムーンストーンの意味って、知ってる?」

「・・・・ううん。」


そういえば・・・・花言葉!!


「永遠の、愛。若さ。・・・・だって。なんか、誕生日にぴったりだなあ、と思って。
いつまでも、素直で純粋な、ピュアなまおでいてほしくて。

永遠の愛を、まおと一緒にずっとはぐくんでいきたくて・・・・・・。」


こうやって、大ちゃんにプロポーズされるのは、何度目だろう・・・・・。



「・・・・うん。こんなにいっぱい愛情もらって、本当に、しあわせだよ?

どうやって、返したらいいのか、わかんないぐらい・・・・・・。」


大ちゃんがとろけそうな微笑で、やさしいキスをくれる。


「まおは、俺のそばで、笑っていてくれるだけで、いいんだ。
・・・・・・それだけで。

俺の、大切な、大切な・・・・・・天使なんだから・・・・・。」


そう、ささやくだいちゃんへの返事の替わりに。


しっかりと、大ちゃんの背中に腕をまわして、ぎゅっと抱きしめた・・・・・。


とろとろと、とろけそうな意識のなか・・・・・何かを忘れているような・・・・・・・。


・・・・・・・・あ。思い出した。花言葉。


「・・・・・ねえ。大ちゃん。・・・・薔薇の花も、意味があったんだよね?
花言葉・・・・調べた。」

「気がついてくれたんだ・・・・・。
・・・・そう。まおがヒトツ大人になった分、熱烈な愛が8本。
俺をつつみこんでくれる、あたたかいまおが・・・・14本。

今は9歳の差が、8歳になっただけだけれど。
そうやって、毎年、毎年、愛情をあたためて。いつか、全部ピンクになって。

本当に信頼し合える、お互いが帰る場所・・・・みたいな関係になれたらいいなって・・・・・。」


真剣な表情で、また、そうやってプロポーズしてくれた・・・・・・・。
キラキラ、キラキラ光る夜景が、おめでとうって言ってくれているようで。

なんだか、とってもロマンティックな気分になる。



「来年も・・・・・また、来よう・・・・・な。」

「ふふ・・・・。ん・・・・・。約束。」

小指をからめあい、ふふふと笑う。

二人だけの・・・・・秘密の、約束。