-------------夜、11時50分。


・・・・・・・もうすぐ、一日が、終わる。

本当は、会いたかったけれど、あんな素敵なプレゼントのおかげで、
心の中は、幸せでいっぱいだ・・・・・・。

大ちゃん・・・・・・。
忙しいのに、きっといっぱい考えてくれたんだよね・・・・・。
ありがとう・・・・・・。

薔薇の香りにつつまれて、ベッドに入ろうとすると、携帯が鳴る。


「・・・・・・えっ?もしかして・・・・・・・・。」

--------ディスプレイには、「大ちゃん」の文字。・・・・うそだあ!!!


「・・・・・っ!!もしもし?」

あわてたせいで、携帯を落としそうになりながらも、出来るだけ平静を装って、でる。


「・・・・・・どうしたのっ?今日、千秋楽でしょ?・・・・打ち上げは??」

「用事があるって、抜けてきた。・・・・もう、みんな出来上がってるし。
なあ・・・まお。・・・・・・俺、今、どこにいると思う?」

「どこって・・・・・。まさか・・・・・・!!」


あわてて、カーテンを開ける。


---------------そこには。

車にもたれて、携帯を片手に、ひらひらと手を振っている大ちゃん。


「やあっ・・・・・。も、お・・・・・。しんじられない・・・・・・!!!」

どこまでカッコイイのだ。俺のコイビトは。


昼間散々、うれし泣きしたのに、また胸が熱くなって、涙があふれてしまう。

---------どんだけ、泣かせるんだよ・・・・・・・。


「ま~おっ!びっくりした?
あと、10分しかないけど間に合った・・・・!!
・・・・誕生日、おめでとう・・・・・。今から、ドライブ・・・・・いこ?」

「うん・・・・・。うん・・・・・・。」


涙でぐちゃぐちゃになってしまった顔を大急ぎであらって。

ひとまず、一番手前にかけてあった洋服に着替える。

-------ああ!!せっかくのデートなのに、もっとおしゃれしたいけどっ!!!


一刻も早く、大ちゃんに会いたくて。

全速力で、階段を駆けおりる。


「・・・・・・ダイチャン・・・・!!ありがとっ・・・・・・・!!」


その勢いのまま、首に抱きつき、ちゅっとキスをする。


「・・・・・ハハっ。」


大ちゃんは嬉しそうに笑うと、俺の頭を落ち着かせるように、ポンポン!とたたく。


「・・・・まお?・・・・・・うれしいけど・・・・ここ、屋外・・・・・・。」


------------ガバっ!!


「うわっ・・・・・。ごめんっ・・・・・・・。」


一気に、我に返り、大ちゃんから離れる。

その代わりに、大ちゃんの両手を、握手をするようにそっと包むと、視線を合わせた。


「でも・・・・・。めちゃくちゃ、うれしかった。
・・・・・・プレゼントも。会いにきてくれたことも。

ほんとうに、ほんとうに。なんて言ったらいいかわかんないぐらい、うれしかった・・・・・。」


せっかく顔をあらったのに、また胸が熱くなってしまって、涙があふれる。


だめだ。こりゃ・・・・・・。

今日は、一日泣かされっぱなしだなあ・・・・・・。