------------それからは。

きちんと二人で真面目にお片づけをして。

なんとか、段ボールだけは全部あけて。

夕方には、「すぐ使うのもの」セットをもって、ダイチャンの部屋に移動できた。


初めての、一緒のごはん。
気合を入れて、作りたいところだけど・・・・・・。

「なんか、つかれちゃたね・・・・・。」

-----------そりゃそうだ。

引越しが決まってから、毎日ずっとハイテンションで。

今日も早起きして、朝から準備して。しかも・・・・汗だくで、んふふして。

結局・・・・。二人でコンビニに行って、お弁当を買ってきてしまった・・・・・・。


「明日は、一日何してすごそっかなあ・・・・・・。」


食事の後、自分の部屋に戻って、たくさん本やら、雑誌やら、DVDやらを両手いっぱいかかえて戻ってくる。


「だ~いちゃん!!あしたは、一日いちゃいちゃししようね!!」


週末の土・日両方ともが、二人とも休み。なんて滅多になくて。
しかも、お引越し記念日で。
もう、一日中、べったりする気満々で、今とって来たものをリビングに並べる。


「お前・・・・・。自分の部屋、いらないだろ~~・・・・。だから、この部屋に引っ越して来いって言ったのに・・・・。」

「え~~。いるよ。荷物置き場。」

2LDKのマンションは、一人暮らしには、広いけれど、二人暮らしには、ちょっぴり狭い。


・・・・・そして何より。

なにかあったときに、「たまたま同じマンションだったんです!!」というカモフラージュが
必要なんだから。

言いたいけれど、言えない。

ダイチャンと違って、まだ地位も名誉も確立していない俺は、誰に何と言われても・・・・。
とまでは、開き直ることは、できない。


生涯の、伴侶。と決めたとしても、やっぱり自分の人生は、自分の人生で。
ダイチャンが養ってくれる、とかそんなんじゃなくて、きちんと自分の足で歩いていきたいから・・・・・。

----------きっと。

そんなことを言うと、また「まおは俺のそばで、笑ってくれているだけでいい。」
とか言われちゃうから、絶対に言わないけれど・・・・・・・。


「・・・・・ね?いっしょに、お風呂、はいろ?」


たくましい背中に、後ろから抱き着いて。
その頬に、キスをした・・・・・・・。


もう、俺だって、28歳なんだから・・・・・・・。