-----------------その夜。

馬場先生と、途中まで一緒に電車で帰って。
いつもより、ちょっぴり早く家に着いたので。

「お引越しの、荷造り~~~~!!!」


一人で、盛り上がって。
ガッツポーズに、突っ込みがないことに気づき、ちょっと恥ずかしくなる。

「・・・・や。ほら。もう、週末にはできてないと、困るし・・・・。」

誰も聞いていない、言い訳を一人でして。

浮かれすぎな自分を自覚しながらも、浮かれずにはおられない自分も自覚する。



「だって・・・。一緒に暮らさないか?だよ!!
プロポーズだよおお・・・・!!」

---------正確には。「俺のマンションに引っ越してこないか?」だけど。
ポロポーズなんて、何回もされてるんだけど。

・・・・・このさい、細かいことは、いいのだ。



「えーっとお・・・・・。パジャマは、ダイチャン家でえ~~。
・・・・・あ。通勤服も、ダイチャンの部屋で着替えるかなあ・・・・・・??
あと、歯ブラシとお・・・・・スキンケアグッズとお・・・・・・。」

ふふふ。
・・・・・楽しい。引越しって、こんなに楽しかったかなあ・・・・・??


怪しまれないように。
ダイチャンの部屋用のダンボールには、「すぐに使うもの」
という、カテゴリーをマジックで書いて、窓際の部屋の隅に置く。


「あ~~あ。早くこないかなあ??週末。」



-----------それから。

他の荷物の整理には、四苦八苦したけれど。


窓際の「すぐにつかうもの」のダンボールをみては、にまにまし。

やる気を充電して、毎日いそいそと荷造りに励んだ・・・・・・・・・・・・・。