--------------結局。

その日は一日中、まおは仮眠室で眠っていた。

まおの分の仕事は、何も言わなくても、みんなが分担して手伝ってくれて。

まおが、みんなに愛されていることが、よくわかる。



「・・・・・まお?起きれる・・・か?」

電気もつけない暗闇で、まだ眠っているまお。

驚かさないように、硝子の心がまた壊れてしまわないように、そっと・・・声をかける。


「ん・・・・?だい・・・ちゃん・・・・・・??
おれ・・・・ずっと・・・・ねて・・・た?」


---------まだ夢うつつで。でも、その目はしっかりと光を宿していた。


「もう、仕事終わったから・・・・・。みんな、手伝ってくれて。
まおがみんなに愛されてる証拠、だな・・・・。」

「そう・・・・なんだ・・・・・・。」

じっと、己の両手をみつめている。

「そうだ・・・・ね。ヒトリじゃ、ないんだね・・・・。みんな、悲しくて、苦しくて。
それを、わかってくれる人がいて・・・・・・。うん・・・・。
みんなのためにも、落込んでばかりじゃ、ダメ・・・だね。」



「・・・・・さあ。まお。帰ろう?
今日は、一緒に、俺の家まで。朝まで、一緒にいてあげるから・・・・・。」


いつもは、まおは馬場先生と電車で帰っているけれど。

今日は・・・・・・。どうしても、一緒に過ごしたかった・・・・・・。


「・・・・・・いいの? 変に、思われない??」


「・・・・・心配だから、送っていく部長の図。不自然なんか、ないと思うけど?」


・・・・・・・・・言い訳なんて、どうでもよかった。


なんだか、今日はみんなの優しさに触れて、俺たちをやさしく見守っていてくれる。

-----------そんな気がして。

まおの髪に顔をうずめて、キスをした。


ここに、俺の天使が、いる。