仮眠室に着くと、まおをベッド寝かせ、滝口先生と、隣同士に座る。


「・・・・・・・というわけなんだ・・・・・・・。」

・・・・・・・と、ことの、事情を説明する。

「そうですか・・・・。浜尾先生、つらかったですね・・・・・。
・・・・・でも、ワタナベ部長も、つらかったんじゃあ・・・・・・??」


まおが辛い時に、頼ってくれなかったこと。
一番そばにいたのが、馬場先生だったこと。
しかも、それを知ったのが、まおの口からではなく、馬場先生の口からだったこと。


「大丈夫ですよ・・・・。泣きたければ、泣いても・・・・・・・。
-----------ワタナベ先生だって、辛かったんだから・・・・・・・。」


-----------そう、やさしく肩を抱かれ。

堰を切るように、我慢していた涙があふれだした・・・・・・・。

滝口先生が、そっと、まおと、俺の手を引き寄せ重ね合わせる。


「・・・・・浜尾先生は、なにも悪くないから。自分を責めるなよ・・・・・。
どうしようもないことだって、この世の中には、いっぱいあるんだから。

ワタナベ部長も・・・・。自分を追い詰めないでください。
浜尾先生が、誰よりも、こころのよりどころとしてるのは、部長・・・・あなたじゃないですか?
それは、ふたりが一番よく、知っているんじゃ、ないですか・・・・?」


真っ赤に泣きはらしたままの目で。
まおの表情が、少し、戻る。

「滝口・・・・先生・・・・・・。」

「あんまり、自分ひとりで、無理するなよ・・・・・。
馬場先生だって、俺だって、もちろん、ワタナベ部長だって、みんな味方なんだから・・・・・。」


ぽんぽん、とまおの頭をやさしくなでると、まおの表情が、みるみるやわらかくなって。
大粒の涙が、ぽろぽろとこぼれ、シーツに染みを作る。


「・・・・さあ。ここからは、ワタナベ部長に、タッチ交代、かな??」


滝口先生は、そう言って俺の肩をポン、と叩くと仮眠室から出て行った・・・・・・。