その夜-----------------。

「おつかれさまでした~~。」

相変わらず、馬場先生と駅のほうに向かおうとする、まおを引き止める。


「ちょっと、浜尾先生。借りても、いいかな?」

「どうぞ。・・・・って言うか、俺のものでも、ないと思いますけど??」

馬場先生が、意味深に、笑う。

・・・・・・気づかれて、しまっただろうか。

・・・・・・いっそ、それならそれで。バレてしまったほうが、いいのかもしれない。
きっと、馬場先生のキャラクターからして、散々いやみを言われるんだろうが。


「え・・・・・?」

まおが、不安と期待の入り混じった目で、俺を見つめる。



-----------グイッと、腕をつかむと、無言で、歩いてゆく。



「えっ?ちょっと、だい・・・・ワタナベ先生??」


「・・・・・・・・・あ。馬場先生。今日は、ありがとうございました!!
お先に、失礼します!!。」


俺に、腕をつかまれながらも、後ろを振り向き、馬場先生に挨拶するまお。

この腕は、確かにまおを摑んでいるのに・・・・・・・・。


なぜか、まおの心が馬場先生にあるような気がして、ならなかった・・・・・・。