-------------昼から。

病棟で、仲良く肩を並べて、パソコンの画面を覗き込んでいる。

馬場先生の手が、まおの肩にふれ、なにやら楽しそうに話している。


-----------------まったく。なんなんだ。
-----------------その、必要以上のスキンシップは!!


気になって、視線が、離れない・・・・・・・。

こちらの視線を感じてか、まおが、ふっ。と後ろを振り返る。


「あ、ワタナベ部長!!今日は、よく会いますね。」


何にも、感じていないような、晴れやかな笑顔で言われて、
このままここで襲ってしまいそうな、衝動を、抑える。


----------------ヒトノキモ、シラナイデ・・・・・・・。


本当は、わかっている。
馬場先生は、優秀で、まおを任せておけば、なんの心配もいらないということ。

俺は俺で。
まおは、まおで。

それぞれの仕事もあるし、立場も、責任も、ある。

それを、いちいちひっかかって、嫉妬する俺のほうが、おかしいんだ・・・・・。



でも。

まおの、ひたむきで、明るいキャラクターは、男女問わず好かれて。

同じ職場なだけに、いちいちそれが目に入ってきてしまって・・・・・・。

気にするな、と自分に言い聞かせても、気がつくとまおを探してしまっている・・・・・・。



付き合って、10年経つのに。

この腕の中にいたまおが、大人になって、ひとりで飛び立っていってしまいそうで。

信頼はしているはずなのに。

会えない時間が、焦りと不安をふくらませてゆく・・・・・・・。