----------------次の日。


食堂で、ばったりまおを見かける。

安心しきった、ふんわりとした笑顔。

向かいに座っているのは・・・・・・・馬場先生。


「なんだよ。まお。馬場先生、苦手とか、怖いとか、散々言ってるくせに・・・・・。

そんな表情、俺にだけに、見せろよな・・・・・・。」


俺は、表情を引き締めると、さりげないフリを装って、二人に近づいた。

「あれ----!?お二人さん。今、あがり??」


「あ。ワタナベ部長・・・・。

そうですね。今、緊急帝王切開無事終わったところで。
浜尾先生、緊張してたけど、努力家っていうか・・・一生懸命って言うか・・・・・・。
着実に、成長してますよ。」


-------------そんなこと、お前に言われなくても、わかっている。
-------------まおが、だれより一生懸命で、まっすぐなのか・・・・・・。


なんだか、もやもやとしたものが、胸の奥に産まれる。
どうも、最近、良くない傾向だ。


「ダ・・・ワタナベ部長は、いまから食事ですか?
ココ、空いてるんで、よかったらどうぞ。」

まおが、自分の横の席のいすを引いてくれる。


「ん?ああ・・・・・。いいよ。二人とも、疲れてるだろうし。」

「でも・・・・・。」

まおが、不安そうな視線を、すがりつかせてくる。


「まあ。まあ。ワタナベ先生。せっかくですから、一緒に食べましょう?」


馬場先生が、にっこりと微笑む。

-----------お前が、一緒だから、嫌なんだよ。


食事中・・・・・・。

馬場先生は、ずっと、まおと今日の反省点について語り・・・・・・。
まおも、それを真剣に聞いていて・・・・・・・。


指導係と、その後輩。
なんだから、当たり前なのに、俺へのあてつけのように思えて、腹がたった。