「浜尾先生って、彼女いない歴、何年ですか~~??」

「え?ん~~~。いないよ。勉強で忙しかったし・・・・・・。
大学時代は、男友達と遊ぶのが楽しくて、そっちに興味いかなかったし・・・・・。」


(カノジョ。じゃなくてコイビトならいるけど・・・・な)


「そろそろ、結婚適齢期だよ~~!!
今が、売り時なんだから、いくら医者だって、のんびりしてたら、ワタナベ先生みたいに、
行き遅れるよ~~。」


(余計な、お世話だ。俺たちは、行き遅れてるわけじゃなくて、
自分の意思で、一緒にいるんだ・・・・・。)


仕事終わりの、仲間内の、飲み会。

看護師に囲まれて、俺のまおが、からかわれている。



「まあ、でも、実際、適齢期だもんなあ・・・・・。
今を、過ぎちゃえば、また何も言われなくなるんだが・・・・・・。」

俺も、経験がある。

お見合い話だの、紹介話だの、持ってこられるたびに、仕事が忙しいとか、
興味ないだとか、はぐらかしてきたが。

その度に、まおが嫉妬して、拗ねてたっけなあ・・・・・・・。

はぐらかし続けるうちに、ゲイだとかのうわさもたってしまったが・・・・・。
今では、それすれも、ない。


まあ、一度はお互い乗り越えないといけない壁だな・・・・・・。


頬を上気させ、看護師たちと、楽しそうにはしゃいでいるまお。

こうやって見ると、やっぱり20代の若者なんだなあ。と実感する。


「わかってはいるが・・・・・。おもしろくは、ないな。」



一人ごとを言って、頭を冷やすために、トイレに立った・・・・・・・。

その、後姿を、不安げに見つめるまおの視線には、気づかずに。