「虹色の硝子」の撮影が終わってから、なんだかおかしい。



気がつけば、携帯の「まお」の文字を、じっと見つめている。

暇ができると、「まお、今なにしてるかなあ?」などと考えている。

舞台裏では、無意識に、まおを視線で追っている・・・・・。



「キョウスケ」が、まおだとわかって。
運命の相手だと感じて。
恋人同士を演じたからか・・・・・??


ふふ。不器用な、初恋をしているみたいだ・・・・・。



----------後日。
「虹色の硝子」のDVDが送られてきた。


初めての教室での、キスシーン。
まお、こんなに目を見開いて・・・・・・・・。
初々しい。

この時の表情は、自分で言うのもなんだけど・・・・。
とてもいい。
タクミと久しぶりに会えて、朝からチュー出来て、とても嬉しくて、満足な微笑み。


鈴木のシーン。
苦しくて、悲しくて、涙があふれる。
愛する人を残して、旅立たなくてはいけない運命。
それを、みているしかない、憤り。


そして・・・・・・。
俺は、タクミと愛し合える。

ベッドシーンをみていると、なんだかざわざわする。

撮影の時は、まおの表情は見えなかったけれど。

ギイを感じて、ギイをもとめて、なんと艶っぽい表情をしているのか・・・・・。

自分から、キスをねだるタクミ。

あんなに、恥ずかしがっていたのに・・・・・・。

まおの中の、タクミをみて。

俺の中のギイ、をみて。


ざわざわの原因が、ギイに対する嫉妬?なのか・・・・・・。



・・・・・・・・いや、あいつは確かに俺の天使だったが、
かわいい後輩で。

何があっても、まもってやりたい存在で。

それ以上でも、それ以下でもない・・・・・・・・。

と、自分に言い聞かせるのだった・・・・。