「ああ。・・・・・・そうか・・・・。そうだったんだ・・・・・・・・・・。
・・・・まさか、キョウスケがまおだったなんて・・・・・。

同じ道を選んでいたなんて、思いもしなかった・・・・・。」



「もしかして・・・。あの、約束の証、まだあるのかな?」


大きな幹にできた、うろ。
今では、ぼくも一緒に覗き込むことが、できる。



・・・・・・・そこには、落ち葉に埋もれ、錆びてしまってはいるものの、
確かにあの日の、十字架のネックレスが、あった・・・・・・・・・・。


「・・・・・すごい!!奇跡みたい。6年間も、経ってるのに・・・・・・。」

「きっと、この木が、ずっと俺たちの思い出を守っていてくれたんだな・・・・・・。」

「うん・・・。そうだね。」


-------------若き日の約束の、証。

あの頃から、まおはずっと俺の天使だったんだ・・・・・・・・。


まおが、大木を愛しそうに、抱きしめる。


「・・・・・ありがとう。ずっと、守っていてくれて・・・・・・。

ずっと、ずっとこれからも、僕たちのこと、見守っていてください。

あの日の気持ちを忘れずに、部長と二人できっといい映画をとってみせるから・・・・。」



-------------いい、映画??


なんだか、心の片隅に、違和感を覚えた。


・・・・・・・・そうだ。

いい映画にするために、わざわざ今日だってオフを潰して、練習していたのだ。


なのに。

なんだろう。この心のざわめきは・・・・・・・・。


大木に話しかけているまおの横顔を見ながら、ひとり物思いにふける。


「・・・・・・・・部長!!」

「----------え?・・・・・・何?」

「このネックレス、またここに置いておいていい??
この木が、ずっと僕たちのことを見守っていてくれるように。」


「---------ああ。そうだな。」