「大ちゃん・・・・・。髪、のびたねぇ・・・・・・。」

大ちゃんの腕に抱かれながら、その髪をすく。

「そうか・・・・?そうかもな。
そんなに、まおとゆっくり会ってなかったのかな・・・・・。
まお不足でカラカラで、ちょっと最近イライラしてたかも・・・・。
今日まおとこうやって二人で過ごせて、少しだけ、満たされた。」

「でも・・・・。全然足りない・・・・・。」


再び。

求められ。

朝まで、何回も、何回も、身体をかさねた・・・・・・・・。



俺の方こそ、大ちゃん不足で気がくるいそうだったよ。

ああ。
どうして神様は人間を二つに分けてしまったのだろう・・・・・。

アダムは、イブという存在を知らなければ、
「さみしさ」
という感情を知らなかっただろうに・・・・。


そして。

俺たちの関係は、神様にも許されない関係・・・・・。

祝福。

とまでは望まないけれど、せめて、この人を思い続けることを許してください・・・・・。








次の日の朝。

「まお。おはよう。昨日は、ごめんな・・・・。
当直明けだったのに、無理させちまって・・・・。
寝不足だろ??」

「んん-------。」


重たい目を開けると、大ちゃんの心配そうな表情のアップがあった。


ああ。
いつも俺のことを気遣ってくれる、やさしいコイビト。

「身体はだるいけど・・・・。
心は、元気になったよ。
大ちゃんに、いっぱい愛情もらって、うるおった。」

「そうか?なら、よかった・・・・。」


そういいながら、とろけるようなやさしいまなざしで、俺の頭をなでてくれる。


------ああ。気持ちいい・・・・・。


大ちゃんの手は、あったかくて、大きくて、とても安心する。
自分が、子供にもどったような、錯覚を覚える・・・・。


「あ~あ。俺、大ちゃんのお腹のなかに入って、眠りたい・・・・。
羊水に、ぷかぷか~っとうかんで、大ちゃんの声、一日中、聞いとくの・・・・。」


「なんだよ。それ。
それじゃあ。俺、まおに出逢えないだろうが。
・・・・・・ってか、オレ、子宮ないし。
まおの望みなら、何でも叶えてあげたいけど、それはさすがに無理かな・・・・。」


-------真剣に考え込む。 大ちゃん。

おっかしいの。

でも、そんなところが・・・・・大好き。



「いつまででもこうしていたいけど、帰りの飛行機の時間もあるしな。
一緒に、みんなと合流するのはやばいから、別々に駅に行こう。」


ソウダッタ・・・・・。

ゲンジツニ、モドラナケレバ・・・・・・。


未練たっぷりに、大ちゃんの腕から抜け出す。
胸が・・・・・切ない。
もう少し、このまま・・・。とわがままを言ってしまいたくなる気持ちを抑える。


「じゃあ。俺、お土産たくさん買わないといけないから、先、行ってるね。」

熱めのシャワーを浴びて、気分をリセットする。
シャワーを浴びていると、大ちゃんの香りも、薄れてゆく・・・。

今から、部下と上司にもどらなければ・・・・・・。




大ちゃんの香りに、後ろ髪を引かれながら、部屋を後にした・・・。