学会当日。

俺は、当直明け。ってことで、大ちゃんは昨日、先に北海道に飛んでいた。
ツインだと、一泊分のホテル、無駄になっちゃうね。


---------と、いうわけで、今は飛行機の中。


身体は疲れてるはずなのに、もうすぐ北海道なだと思うと、なんだか興奮して眠れない。
しかも、夜は大ちゃんと久々に二人っきりだと思うと、
なんだかドキドキしてきて、ますます目が冴えてしまう。

「あ~あ。早く北海道つかないかなあ・・・。」

と思いながらも、やっぱり身体は正直で・・・。

いつの間にか、眠ってしまっていた。




北海道に着くと、馬場先生からもらった地図を片手に、会場へ向かう。

------------キイ。 パタン。

あ。もう始まっちゃってる。

大ちゃんはどこかなあ??


会場をぐるっと見渡すと、他の先生たちと一緒に一番端っこをヒトツだけ空けて、
大ちゃんが座っている。


「もしかして・・・・・。
俺の席、空けてくれてる??」

そーっと、大ちゃんの隣まで行くと、

「おっ!遅かったな。浜尾先生。
おつかれさん。ここ、空いてるよ?」

大ちゃんが、部長の顔をして、席を勧めてくれる。

「あ。ありがとうございます。」


みんなの前では、部下と上司。
ちゃんと、敬語を使わないとね。



スクリーンには、今話題の出生前診断の報告が映し出されているけれど・・・・・。


当直明けの身体に、この暗い照明は・・・・・。ツライ。


つい、うとうとしかけたところに・・・・・。


-----------手に、あたたかい、ぬくもり。



大ちゃんが、テーブルの下で、手を握ってきてくれている。


ああ。幸せだなあ。


・・・・そうだ。
俺の恋人に恥をかかせないためにも、きちんと勉強しなくっちゃ・・・。