俺は浜尾京介。28歳。
今年、産婦人科に進んだばかりの専攻医だ。
馬場良馬先生。俺の指導係の先輩。
そして、渡辺大輔部長。
俺の上司であり、二人きりで会うこともままならない、忙しい恋人。
今日は、朝から出産を一件取り上げて、救急車の対応して、そのまま帝王切開入って・・・。
今、やっと、病棟の回診がおわったところ。
「はああ・・・・・。疲れた・・・・・・。」
医局のデスクで、机に突っ伏してぐったりとのびていると、後ろから緊張の一声。
「浜尾先生。今度の学会のホテルとった??
早くしないと、会場のホテル埋まっちゃうよ?
毎年、あっという間に埋まっちゃうから、気をつけないと・・・。」
・・・・・・しまった!!忘れてた!!
確か、この前、会場の地図の入った書類を、馬場先生からもらってたはず・・・・。
あたふたと、書類をさがす。
「ま。俺は日直で行けないから関係ないけど。
指導係の俺がいないからって、あんまり羽根のばしすぎるなよ。
それと。
帰ってきたら、レポート書くように!!」
斜め45度の角度で、俺を見下ろすと、そう言い去っていった・・・・・。
「あ~あ。せっかくの北海道なのになあ・・・。
大ちゃん、会場のホテルとったのかなあ・・・・。
同室は無理でも、せめて隣だったらいいのに・・・・・。」
最近、お互いに当直が入ったり、OPが入ったりで、なかなか会えない。
職場でたまたま会っても、俺たちの仲は周囲には秘密。
二人っきりの会話なんて、滅多にできない。
ぶつぶっと、一人で文句をいいながら、クサッしまう。
-----ああ。大ちゃん不足だ。
「はああ・・・・・・。」
大きなため息をついていると、後ろから、ポンッ!と肩を叩かれる。
あ。この暖かい掌の感触・・・・・・。
----------やっぱり、大ちゃん!!
「だいっ・・・・・!!」
シッ!!
と、大ちゃんが人差し指を、俺の顔の前でたて、声をさえぎる。
そんな、ボディータッチでさえ、大ちゃん不足の俺は、ドギマギしてしまう。
いやいや。ドギマギしてる場合じゃないでしょ!!って・・・・・。
我に返り、周囲を見渡すが、だれもいない。
「まお、これ・・・・。今度の学会の時のホテルの地図。
ツインでとったから・・・・・。
お前のと、ダブってるかも知れないけど、あっちで落ちあおう?」
大ちゃんが、ウインク付で最高のプレゼントをくれる。
会えなくたって、いつも俺のことを気遣ってくれる、その気持ちが、うれしい。
「ううん。ちょうど、まだ申し込めてなくて、あせってたとこ。」
「じゃ、また後で。」
「うん。後で・・・・・・・・・。」
何気ない会話が、こんなに楽しい。
今までの疲れなんて吹っ飛んで、顔がにやけてしまう。
「あ~あ。楽しみだなあ。北海道。」
たったこれだけのことで、こんなにも違ってしまう。
かれこれ、10年近く付き合っているけれど、やっぱり大ちゃんの存在は大きい。
今年、産婦人科に進んだばかりの専攻医だ。
馬場良馬先生。俺の指導係の先輩。
そして、渡辺大輔部長。
俺の上司であり、二人きりで会うこともままならない、忙しい恋人。
今日は、朝から出産を一件取り上げて、救急車の対応して、そのまま帝王切開入って・・・。
今、やっと、病棟の回診がおわったところ。
「はああ・・・・・。疲れた・・・・・・。」
医局のデスクで、机に突っ伏してぐったりとのびていると、後ろから緊張の一声。
「浜尾先生。今度の学会のホテルとった??
早くしないと、会場のホテル埋まっちゃうよ?
毎年、あっという間に埋まっちゃうから、気をつけないと・・・。」
・・・・・・しまった!!忘れてた!!
確か、この前、会場の地図の入った書類を、馬場先生からもらってたはず・・・・。
あたふたと、書類をさがす。
「ま。俺は日直で行けないから関係ないけど。
指導係の俺がいないからって、あんまり羽根のばしすぎるなよ。
それと。
帰ってきたら、レポート書くように!!」
斜め45度の角度で、俺を見下ろすと、そう言い去っていった・・・・・。
「あ~あ。せっかくの北海道なのになあ・・・。
大ちゃん、会場のホテルとったのかなあ・・・・。
同室は無理でも、せめて隣だったらいいのに・・・・・。」
最近、お互いに当直が入ったり、OPが入ったりで、なかなか会えない。
職場でたまたま会っても、俺たちの仲は周囲には秘密。
二人っきりの会話なんて、滅多にできない。
ぶつぶっと、一人で文句をいいながら、クサッしまう。
-----ああ。大ちゃん不足だ。
「はああ・・・・・・。」
大きなため息をついていると、後ろから、ポンッ!と肩を叩かれる。
あ。この暖かい掌の感触・・・・・・。
----------やっぱり、大ちゃん!!
「だいっ・・・・・!!」
シッ!!
と、大ちゃんが人差し指を、俺の顔の前でたて、声をさえぎる。
そんな、ボディータッチでさえ、大ちゃん不足の俺は、ドギマギしてしまう。
いやいや。ドギマギしてる場合じゃないでしょ!!って・・・・・。
我に返り、周囲を見渡すが、だれもいない。
「まお、これ・・・・。今度の学会の時のホテルの地図。
ツインでとったから・・・・・。
お前のと、ダブってるかも知れないけど、あっちで落ちあおう?」
大ちゃんが、ウインク付で最高のプレゼントをくれる。
会えなくたって、いつも俺のことを気遣ってくれる、その気持ちが、うれしい。
「ううん。ちょうど、まだ申し込めてなくて、あせってたとこ。」
「じゃ、また後で。」
「うん。後で・・・・・・・・・。」
何気ない会話が、こんなに楽しい。
今までの疲れなんて吹っ飛んで、顔がにやけてしまう。
「あ~あ。楽しみだなあ。北海道。」
たったこれだけのことで、こんなにも違ってしまう。
かれこれ、10年近く付き合っているけれど、やっぱり大ちゃんの存在は大きい。