「大ちゃあん。お腹すいたあ。」

シャワーを浴びたまおが、頭を拭きながら、リビングに入ってくる。
デニムをはかずに、俺のTシャツ一枚で、その妖しい姿を見せびらかす。
(・・・・・・ように思える。)



「これ、ぶかぶか~~~~。」
「ちょっと・・・。それって・・・・。まお。お前、下。・・・・着ろ!!」
「え~~なんで~~?部屋着、もってきてないから、デニムだと、きゅうくつだもん。」



やっぱ、天然だ。



「それだと、俺がやばいだろ。昨日の、今日なのに・・・・。」

「それとも・・・。誘ってるのか?」



------急に、意味を理解して、あわてふためくまお。



「ちがっ・・・・。そんなんじゃ、ないって・・・。」

「じゃ、ちゃんと、下はいて。それから、朝メシにしようぜ。」


まおが、服を取りに行っている間に、テーブルをセッティングする。




「どうぞ。」
「うっわあ。大ちゃんって、料理、できる人??」

本当に、まおはかわいい。

トーストと、サラダと、ハムエッグと、ヨーグルト。 それと、サイフォンで入れたコーヒー。
こんな、定番のメニューで、こんなに感動してくれるなんて・・・。

「そんなこと、ないよ? 簡単なもの、ばっかじゃん。」
「だって・・・。俺が、シャワー浴びてる間に、全部、作ったんでしょ??
やっぱ、天才!!」

「いただきま~す!!」




ああ。俺の作った料理を、まおが目の前で食べてくれている・・・・。
こんな、しあわせ、本当に現実なのか??




「なに?じーっとこっち見て。なんか、ついてる?」

「・・・ううん。現実なんだなあって・・・・。」

「・・・・・・そうだね。ここまで、たどりつくのに、お互いに、すごく、時間がかかったもんね。」



んふふ。とまおが綺麗に笑う。




「ね。大ちゃん。手、つないでも、いい?」




テーブル越しに、俺の手を包み込む。
冷え性だというまおの手は、ひんやり冷たい。




「これからも・・・・。いろんなことあると思うけど・・・・。
いつだって、大ちゃんのこと思ってるから・・・・・・。
ずっと、そばにいさせて。俺のこと、信じてて、ね。」






俺の天使は、どこまでも・・・・天使だ・・・・・・・・・。