夫の状態が安定していると思ったのもつかの間でした。
大晦日の午前10時頃のことです。介護ホーム(介護付き有料老人ホーム)のケアマネさんより電話がかかり、
「熱が38度あり、酸素が80%から90%台前半で、訪問診療の先生も救急搬送したほうがよいとのことです。希望の病院はありますか?」
なるべく近くの病院を希望しましたが、搬送先が決まるまで1時間以上もかかりました。希望の病院はいっぱいで断られ、やっと6軒めで受け入れてもらえたそうです。
息子と二人でタクシーで病院にかけつけました。こういうときは、正直な話、日中であることは本当に助かります。
またも肺炎でした。状態はかなり悪く、肺の3分の1は白くなっていました。酸素吸入、抗生剤の投与を行うとのこと。延命措置の可否についての話を先生としました。
人工呼吸器は使用しない。心肺停止の場合、電気ショックを2回行ったあとには心臓マッサージは行わないことを決めました。
その日はコロナ等の感染症の検査も済んでないため、隔離されて面会もできずに帰りました。前日に介護ホームに面会に行ったばかりでしたが、そのときは少し苦しそうな顔をしていたのが気になっていました。看護師さんも、酸素や熱を確認してくれて正常ではあったのですが。
不安な三が日を過ごし、その翌日に病院の先生から電話がかかってきました。
「肺炎は、抗生剤が効き始めて悪化はしていない。酸素は吸わないといけない。肝臓の数値が上がっている。一番問題なのは、貧血が進んでいる。ヘモグロビンが5.4で危険な状態。輸血をしないといけない。家族の同意書が必要」とのこと。
面会もできるとのことなので、病院に行き、再度ていねいな説明を受けて輸血の同意書にサインしました。
肺炎が良くなっても、貧血が治らない場合は血液内科での治療が必要と言われました。こちらの病院では血液内科がないので、転院になってしまうそうです。近くでは入院できる血液内科はなかなかないのだそうです。そうならないことを祈るばかりです。