その晩の9時頃です。夫の携帯から電話がかかってきました。驚きました。夫から電話が来ることは、稀なことで奇跡に近いことです。
夫「やっぱり手術したほうがいいかな。このままでは終わりだから、手術にかけてみたほうがいいか」
私「そうだよ。そうしたら歩けるようになるよ。このままでは寝たきりになってしまう。自分でトイレ行きたいでしょ」
夫「うん」
私「自分で、ハッキリ先生に手術します、歩きたいですって言わないとダメだよ。私も電話してこのこと伝えるから。歩きたいでしょ?」
夫「うん、歩きたい」
私「ちゃんとリハビリもしないと歩けるようにはならないって」
夫「そうする。(同室の人に)うるさいって言われちゃった」
病室での通話は本当はいけないのです。私は再度、夫が手術を受けたいという意思を確認し、先生に二人で伝えることを申し合わせて電話を切りました。
こんなにしっかりと自分の意思を伝えてきたことは、ここ数年来なくびっくりしました。明日の朝、病院に電話してこのことを伝えることにしました。
どのように言おうか、頭のなかでぐるぐる考えが巡って眠れなくなってしまいました。それで3時頃から起き出し、部屋のなかの、もう着なそうな衣類を整理して、ゴミ袋3袋くらいにまとめたりしているうちに朝を迎えました。