脚本家 旺季志ずかです。
56000人の読者を持つ土井英司さんのビジネスブックマラソンの書評に取り上げていただきました。
年間1000冊の本を読む土井さんにここまで書いていただいて光栄であると同時に身が引き締まりました。
ありがとうございます。
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...こんにちは、土井英司です。
…………もうダメだ。
今日はカフェで読書をしたのですが、本気で後悔しました。
世の中には、人前で読んでいい本と悪い本があります。今日読んだのは、明らかに後者でした。
オシャレに着飾った男女が談笑する千駄ヶ谷のロン・ハーマンカフェで、土井だけが本を読んでボロボロ泣いていました。
本日ご紹介する一冊は、そんな土井を泣かせた自己啓発小説、『臆病な僕でも勇者になれた七つの教え』です。
著者は、『女帝』『カラマーゾフの兄弟』『ストロベリーナイト』
『佐賀のがばいばあちゃん』『特命係長 只野仁』などの人気テレビドラマのシナリオを手掛けた脚本家、旺季志ずかさん。
本書が初めての著作ということですが、ものすごい筆力に圧倒されました。
青い髪に生まれ、父親に「バケモノ」と呼ばれ、学校でもイジメにあってしまう小学校6年生の少年キラが、聖櫃(アーク)が隠されているという森に冒険に出て、「七つの石(ストーン)」を集め始める。
恐怖、寂しさ、怒り、嫉妬…。人間を苦しめる感情にどう向き合えばいいか、どうすれば人は勇者になれるのか、少年の成長物語を通じて教えられる、感動の自己啓発小説です。
なぜか徳島弁の森の案内役、「老師(ラオシー)」の言葉を通じて人生訓が説かれるのですが、この教えがまた秀逸です。
「夢は見るためにあるんちゃう、夢は生きるもんじぇ」
「臆病なまま進め、失敗しても勇気に変わる」
「そのままの自分にはなまるをつけるとき。どんな自分をも大丈夫と赦すとき。自分の最大の味方であるとき。一歩前に踏み出す勇気が湧いてくる。」
ストーリーのテイストは、『夢をかなえるゾウ』をよりファンタジックにした感じと言ったら伝わるでしょうか。じつにワクワクする、「買い」推奨の一冊です。
感動ストーリーの中から、人生訓だけを抜き出してみましょう。
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「わかいし(若者)よ、夢は見るためにあるんちゃう、夢は生きる
もんじぇ」
「最初の一歩がいちばんこわいけん。ほれは見えない橋に踏み出す
ような勇気がいる。ほなけんど、踏みしめた足元に橋がかかる。あ
とから来る者のために橋をかける。ほれが勇者の使命じぇ」
「勇者は冒険を怖れない」
「勇者は、人の助けを遠慮なく受けとる」(中略)
キラの心はあたたかかった。人の助けを受けることは、心をあたた
かくするのだな、と思った
「ライバルがいたほうがひとりじゃ昇れない高みに行けるのよ」
「嫉妬はな、その相手が受け取ってるものを、自分も手に入れられ
るという合図じょ。嫉妬が強烈であればあるほど、次は同じことが
自分に起こるのを許すときやけん」
「みーんな、ほかの人のことばっかり気にしとる。ほんなことしと
ったら感性が閉じていくんじょ。自分の好きもわからんようになっ
てしまう。人はええんよ、どうでも。自分が何を感じとるんかたい
せつにせんと」
「わかいし(若者)よ、臆病なまま進め、失敗しても勇気に変わる」
ものごとは行動を起こす前がいちばん怖いに違いない。試されてい
るのかもしれない。死ぬかもしれないと思うほどの恐怖を感じさせ
て、おまえは本当にこのことに挑戦する意思があるのかというお試し──。
「わかいしよ、夜明け前がいちばん暗い。宝物は手にするときがい
ちばん怖い──」
どうして、MINAMOTOは『分離のゲーム』を始めたのか。『ひとつ』
はバラバラに分かれて、それぞれの身体に入った。それは競うため
でも、違いを見つけ比較するためでもない。愛を伝えるためだ──。
そのままの自分にはなまるをつけるとき。どんな自分をも大丈夫と
赦すとき。自分の最大の味方であるとき。一歩前に踏み出す勇気が
湧いてくる。
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少年の成長物語ではありますが、人間がいつまでも勇気を持てない
子どもである以上、本書はすべての人に勇気を与えてくれます。
土井の愛読書『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』に、
「もっと大きくなれるのに、なんと小さな俗物(ポテト)であるこ
とよ」という父から息子へのエールがありますが、本書は、母から
息子たちへの愛情あふれる手紙のような一冊です。
考えるばかりで行動する勇気を持てない現代の日本人に、生きる意
味、挑戦する価値、勇気の大切さを教えてくれる、素晴らしい自己
啓発小説でした。
本気で泣けて、読み終わった後には、ものすごいエネルギーが湧い
てきます。
ぜひ読んでみてください。
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「母から息子たちへの愛情あふれる手紙のような一冊」
こんな素晴らしいお言葉をいただいたら……もう胸がいっぱいです。
みなさんも、読んだら感想を聞かせてね。
今日も人生にブラボーと叫ぼう!
♥写真は友人の「らん」撮影