今日は、朝から、気配が哀しい。


311.


どんな現実もハッピーな結果に変えられるよ、と、自分の人生から得た教訓をお伝えしている私。


……3年前ほど、なにやってんねん、私、と自分の職業に疑問を感じたことはない。
エンターテイメントなんて書く意味あるの????

誰かの役にたってるの?


人の役にたって初めて存在意義を感じる私には危機だった。


私なんか生きてていいの?

そんなことさえ思った。


しばらく書けなくなり、初めて書いたのが「ストロベリーナイト」だった。
絶望の中で愚かにも罪をおかした息子を殺そうとする父親。
それを阻止するために、事件にもなっていない事件を追う女刑事。


あの時から、傷つき絶望した人間の再生というのが、私の書くテーマだと明確になった。


少しづつだけど、希望に向かっている。
そのために、そう信じて、書けるものを書きたい、と、思う。



物語には、人を癒す力がある。

再生のための、とてつもない力を宿している。



どんな状況が起こっても、人は物語なしでは生きられない。


虐待という厳しい現実の中で

私が生き延びたのは、物語があったからだと思うから。



哀しみが日本を覆う空気の中で。


哀しみを決意に変える。